このページでは、職業訓練を申し込むところから訓練を修了するまでの、一通りの流れをお伝えします。
職業訓練(ハロートレーニング)とは、ハローワークからの申し込みで職業訓練校と呼ばれる学校(民間運営もあります)に無料で通い、スキルアップやステップアップをすることができる制度のことです。
利用ができるのは「仕事に就いていない人」のみとなっていますが、なんと受講が無料なので、きちんと利用すればスキルアップ等にすごく有効なのですが、意外と世間一般に知られていません。
あなたはこの制度についてどれだけ知っていますか?
きちんと知識を身に付け、転職ライフを有効活用しましょう!
そして当サイトでは、実際に職業訓練校に勤務していた筆者が、これは書いてはいけないのではという本音やギリギリのウラ話までお届けしてみます(まずかったら消去することもあります)。
職業訓練のことを書いているサイト・ブログはいくつかありますが、このルールや決まりについて、全国共通のルールであるような書き方をしているところが結構あります。
都道府県によってルールは違いますし、ハローワークごとでもルールは変わってきます。
当サイトは、あくまで筆者が携わった地域での職業訓練の経験と、実際に聞いた訓練の実情を中心に書いています。
ですから、かならず最終的にはご自身の手でハローワーク等に確認して下さい。
職業訓練(ハロートレーニング)ってなあに?
冒頭でもお話しましたが、「無料で資格や知識を得ることができて、再就職を有利にするための勉強の場」と考えて下さい。
就職がゴールとなりますので、就職意欲のない人は訓練を受けることはできません(まあ厳密に言うと受けられるんですけどね…)。
期間はたいていのものが3カ月~です。
学校のように、平日はほぼ毎日通います。
クラスメイトもみんな求職者のため、同じ目標を持った仲間と一緒に勉強ができるという点は、資格取得と就職に関してはかなりのモチベーションアップにつながります。
また先生方もかなり熱心に指導してくれますので、自分1人で勉強や就職活動をするよりかなりはかどります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。


訓練を細かくわけると色々ありますが、大まかにわけると「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2つがあります。
公共職業訓練…雇用保険(失業手当)をもらいながら通える訓練(もらえない人も通える)。コースが充実している。
求職者支援訓練…上記手当てがもらえない人しか通えない訓練。コースが少ない。
ほとんどの方は「公共職業訓練」を受けられると思います。
なぜなら雇用保険(失業手当)をもらいながら訓練に通うことができ、しかも交通費などが支給されるというメリットが非常に大きいからです。
失業手当に関してのお話は以下をどうぞ。

職業訓練の流れ(申し込みから終了まで)
- 1訓練を探すハローワークに相談したり、Webで探します。
- 2訓練に申し込むハローワークで申し込みます。
- 3選考試験を受ける意外と手ごわい学校もあります。就職意欲が肝心。
- 4(合格後)交通費の申請をする公共職業訓練で、かつ雇用保険(失業手当)受給者のみです。
- 5入校式(訓練開始)いよいよ訓練開始です。不安と期待が入り混じります。
- 6勉強する/就職活動を行う思ってたより大変、なんていう感想が多かったりも。
- 7修了式(訓練修了)とりあえずひと区切り。就職が決まっていない人はまだゴールではありません。
- 8就職報告学校にいい報告をしてあげましょう!
簡単ではありますが、こんな感じの流れになります。
ではこの工程についてひとつずつ見ていきます。
1.あなたが受けたい訓練を探しましょう
まずはどんなコースがあるのか確認してみましょう。
公共職業訓練・求職者支援訓練ともにこちらで検索が可能です。
外部リンク 訓練検索・一覧(ハローワークインターネットサービス)
よくわからなければ、最寄りのハローワークで尋ねてもらうのが一番です。
申し込みもハローワークになりますので、いいなと思えばそのまま訓練の申し込みも可能です。
ただし申し込み期間というものがありますので、その点だけは気を付けて下さい。
またご自分の管轄のハローワークでしか申し込みはできません。
なお、小さいお子さんがいて訓練が受けられるかどうか不安…という方のための記事もあります。
最近ですと託児所つきの訓練がかなり多いです。しかも訓練中の利用は無料!

訓練はどうやって選べばいい?
訓練の選び方はいろんな方法があります。
訓練のカリキュラムや取得できる資格で選ぶか、あまり人気のない学校を選ぶか、開講する月で選ぶか…ということです。
選び方に関しては以下の記事に詳しく書いております。

即決するのが不安な場合は、各訓練校が行っている説明会に参加されることをおすすめします。
訓練内容は当たり前ですが、現存する訓練生の様子を見てきたり、デメリットの説明などもある学校が親切ですね。
以下の記事に見てくるポイントをまとめています。

訓練前でも訓練中でも、資格の必要性を考える人もいらっしゃいます。
せっかく訓練に入ったのですから、取れるうちに取っておいた方が良いです。
また今度…という考えはもったいないです。
無料で、しかも集中して資格取得の勉強ができるチャンスはそうそうありませんよ。

2.入校のためには選考試験を突破する必要あり!
各学校には定員が決まっています(だいたい20人前後)。
そして地域によって異なりますが、人気なコースというものが多く存在します。
そのため、選考試験に合格した人だけが訓練を受けることができます。
選考試験の種類は筆記、面接が主ですが、筆記試験と言っても漢字や算数、時事問題と幅広いです。
選考試験を対策する
選考試験の対策に関しては以下の記事をご覧ください。
特に気を付けることは志望動機と就職意欲、そして受講意欲です。
なぜその訓練を選んだのかがきちんと言えないとやる気を疑われます。これは企業面接の志望動機と一緒ですよね。
また就職するための訓練ですので、就職意欲のない人や、就職が難しいと思われる人も落とされる可能性が高いです。
さらにはすぐに辞められると訓練校にとっても痛手なので、継続性も確認されます。
服装はスーツが断然おすすめです。


合否はどうやって決まってる?
都道府県によりバラバラですが、筆記や面接ともに一定の基準をクリアする必要があります。
なかには抽選というくじびきシステムを採用している都道府県もあります。この場合は合格ラインに乗った方の中から、くじ番号のいい人順に訓練を受けることができます。
合否の決め方のちょっとしたウラ話などは以下の記事をどうぞ。

年齢の高い方は少し不利かも知れません。
希望する職種によりますが。

3.<公共職業訓練のみ>合格したら交通費の申請をします
無事訓練に合格!となった方、合格したら次は入校に向けての準備です。
その一つが、交通費の申請です。
「公共職業訓練」で、「雇用保険(失業手当)」をもらいながら訓練に通うことの出来る人は、交通費をもらうために通学ルートを申請する必要があります。
基本的には利便性(自分にとって都合のいいルート)などは考慮されず、最短距離での申請となります。
詳しくは以下の記事にて。

4.いざ入校!の前にも色々気を付けることがあります
やっぱり通えなくなっちゃった…
この場合は、訓練を辞退する必要があります。
当日行かなきゃいいよね、ということではなく、必ず訓練校に連絡をしてあげて下さい。

いざ当日!入校式へ参加
入校される方は、訓練校からの指示をよく読んで、入校に必要なものを揃えて臨んでください。
名字や住居が変更になる方はかならず連絡をしてあげてください。
服装はぜひスーツやフォーマルな格好で臨みましょう。
入校式について色々書いた記事は以下になります。

5.勉強開始!だけど訓練生活はどんな感じだろう?
1日の流れはどんな感じ?
訓練生活に関しては以下の記事をご覧ください。
1日の流れや、ちょっとした訓練中の疑問っぽいものもカバーしています。

欠席した場合はどうなる?<公共職業訓練>
公共職業訓練で雇用保険(失業手当)受給者は、訓練中に欠席等をしたら、色々ともらえるお金が引かれていきます。
ただし一定の理由によっては、その証明を訓練校に提出することによってお金が引かれないこともあります。
たとえば”風邪を引いて病院に行き、領収書を提出した”などです。

また、ある程度の出席率が必要となります。休み放題ではありません。
休みすぎると出席率が確保できなくなり、退校となります(退校はもう少し後に記事があります)。

訓練中や訓練後に病気・入院をした(する)場合、訓練に在席し続けるのはあまり得策とは言えないかもしれません。

職業訓練中にアルバイトってしてもいいの?
少しならいいですが、雇用保険に入れるレベルでの労働は就職扱いになり退校となります。
また公共職業訓練で雇用保険(失業手当)の方は、アルバイトをすると手当が引かれることがあります。
またアルバイトをしすぎると訓練に色々と支障が出ることがあります。
職業訓練中のアルバイトに関しても書いております。

クラスの雰囲気は?人間関係が心配…
クラスの雰囲気は本当にバラバラで、まんべんなくみんなが仲の良いクラスもありますし、グループ同士でくっついているクラスもあったり、ほとんど交流のないクラスなど、とにかくさまざまです。
こちらの記事に人間関係についてまとめております。

就職活動はどうすればいい?訓練中でもしたほうがいい?
勉強と同時に就職活動を行った方が圧倒的に有利ですし、あとあと自分が楽になりますよ。
並行して進めていくのはかなり大変ですが、さまざまな作業を同時に行える力を養う訓練でもあると考えて下さい。


訓練を受けただけでは就職はできません。
訓練中に良い応募書類を作ったり家庭環境を整備するなど、努力がモノを言います。
たとえば小さいお子さんを預けることができないのに正社員で働くなんて無理ですよね。
こんな感じで、就職する環境が整っていることが大事です。
しっかり就職の環境も整えておくことも就職活動の一環です。

当サイトでは、実際に職業訓練で就職支援をしている立場として、実際に訓練生がよく使っている&訓練生におすすめしている転職サイトを集めてみました。
以下の記事でご紹介しております。

訓練中の態度が良好だと仕事を優先的に紹介してくれたり、欠員があればもしかしたら訓練校にそのまま就職できるかも?!

就職支援も充実している
就職をサポートするために、就職支援も行います。
就職支援担当と呼ばれる人物が各学校におり、あなたの就職をいろんな角度からサポートをしてくれます。
また都道府県が取り決めた就職支援もあります。
ハローワークでの仕事探しやアンケート調査などがそれにあたります。
職業訓練は単に資格や知識が習得できるというだけではなく、就職が目的の訓練なのでこのような支援があるわけです。
ハローワーク相談員に相談するのも悪くありませんが、訓練校の就職支援担当はそのコースに特化した就職支援のエキスパートです。ぜひとも有効に活用してください。

訓練を途中で辞めなければいけない…
訓練途中で残念ながら退校を選択しなければならない人もいらっしゃいます。
理由としては就職、体調不良、妊娠、家庭の事情、そして出席率が足りないなど…さまざまです。
退校は悪いことではありませんので、まずは訓練校の担当者に相談してみてください。
退校には主に「就職」「自己都合」「出席率不足」「認定試験に不合格」「迷惑行為で強制退校」5つのパターンがあります。

5つのパターンのうち、自己都合での退校を非常に嫌がる人が多いですが、ダメなことでもなんでもありません。
毎クラス2人くらいは自主退校をされています。
退校を決断する前に必ず訓練校の担当者にご相談ください。


妊娠した場合も自主退校を基本的にはおすすめしています。

6.訓練期間をすべて無事通い終えたら「修了」です
訓練の最終日には修了式がある
密度の濃い時間を過ごしたあなたは、きっと資格や知識を手に入れ、訓練前より1つも2つもレベルアップしたことでしょう。
最終日には「修了式」があります。この日は公共職業訓練であればハローワークに行く必要もあります。

修了したら就職活動に専念しましょう
修了式がゴールではありません。
職業訓練のゴールは「就職」です。
訓練中にきちんと就職活動はしていましたか?
活動を全くしていないと、訓練担当から目を付けられます。
きちんと活動しておきましょう。

就職が決まった、あるいは就職が決まっていなくとも一定期間ごとに訓練校に活動状況の報告をする必要があります。
ここで無事「就職しました」と訓練校に報告ができれば完了です。
そうでない場合は、引き続き訓練校に就職活動状況を、一定期間の間に報告する必要があります。

そして訓練校の立場からすると、「就職させるための訓練」と言えますので、就職率はかなり気をつかっています。
そのため就職支援はかなり熱心です。

訓練中あるいは訓練修了後に、就職支援担当者から上手にサポートを受けながら就職活動をし、期限内に就職を決めてあげて下さい。
他にもこんなこともあります
就職を目指している訓練である以上、就職が難しい立場の人は敬遠される可能性があります。
その代表選手が新婚さんでしょう。
新婚さんあるいは既婚者に向けたメッセージ的な記事がこちら。

障害者の方も職業訓練にいらっしゃいますので、そのような方へ向けた記事も書いてます。

職業訓練の人間模様
仕事でもそうですが、人間関係は社会生活を営むうえで切っても切り離せません。
職業訓練でも人間関係に悩まされたりする方もいらっしゃいます。
参考までに以下のような方もいらっしゃいますよ、という記事です。

以上が流れです
といった感じで、受けたい訓練コースの選定から最後の就職報告までの流れです。
それぞれリンク先の記事には、訓練に携わっていた人間ならではの視点も交え、色々と細かくて役に立つお話を書いています。
是非目を通してみてください。