知れば知るほどお得!無料で通える「職業訓練(ハロートレーニング)」とは?

スポンサーリンク

3a42964840e5ecc3e0d971040b5fe8f0_s

求職者(転職希望者)が耳にする機会が多い「職業訓練(ハロートレーニング)」。

ハローワークに通っていると職業訓練(ハロートレーニング)と言う文字を目にしたり、相談員の方が教えてくれたりします。
それまで「知らなかったー!」という人もかなり多くいらっしゃいます。

また他にも、ネットで職業訓練の情報も多く乗っております。

この職業訓練とはいったい何か?
概要や実態・メリットなどを知りましょう。

職業訓練のシステムは複雑なため、職業訓練校に勤め、訓練を知り尽くした筆者がわかりやすくお伝えします。

 

スポンサーリンク

職業訓練(ハロートレーニング)とは何か?

職業訓練(ハロートレーニング)を簡単に言うと

職業に関する知識やスキルを身に付け、早期の再就職につなげるものです。
受講料は無料(一部を除く)なのが最大の特徴です。

コースは事務系やプログラミング、CAD、介護、製造、金属加工、溶接、農業、建築、美容系などさまざまです。

身に付けたい内容のあるコースを選び、受講するという形になります。

職業訓練はこんな人におすすめ

  • 知識不足・経験不足でいつも不採用になる
  • 就きたい仕事の経験はあるけれど、独学だったためきちんとした知識を学びたい
  • 自分がどんな仕事に就きたいかよくわかっていない
  • 希望している仕事に適性があるかどうか知りたい
  • 専業主婦・子育てで社会復帰にブランクがあり馴染めるか心配
  • 専門的な人の就職に対するアドバイスや支援を受けて早く働きたい
  • お金をかけずにスキルや資格を身に付け、就職をしたい

「訓練」というとなんだか固く物騒なイメージを持たれるかも知れませんが、要は学校と考えて下さい。
その固く物騒なイメージを払しょくするために、2016年の11月あたりに、「ハロートレーニング ~急がば学べ~」という愛称(キャッチフレーズ)が決まりました。
ですので、職業訓練は現在では「ハロートレーニング」と呼ばれたりしています。

逆に職業訓練をおすすめしない人

  • 仕事を辞めたばかりだからゆっくり羽を伸ばしたい人
  • スキルアップや資格取得がメインで、就職は二の次な人
  • 規則に縛られて生活・就活するのが嫌な人
  • マイペースに就職活動をしたい人
  • すぐに働かないと生活が危ない人

職業訓練は「就職を目的」とした「公的制度」なので、ちょっと休憩…という人や自由に活動したい人、就職を目的としない人はおすすめしません。
カルチャースクール感覚では訓練は受けられません。

また職業訓練はある程度のお金の補助がありますが(条件付き)、普通に働いたほうがお金はたくさんもらえます。
そのため生活に困っているようなレベルの方はあまりおすすめできません。
仮に入校しても、すぐに辞めてしまう方が多いです。

 

職業訓練の種類

図をご覧いただけるとわかりやすいと思いますが、まず、大きく分けると公共職業訓練(離職者訓練)求職者支援訓練があります。
他にもありますがとりあえず現状はこれらが2本柱となっています。

雇用保険(失業手当)がもらえる人が公共職業訓練、そうでない人は求職者支援訓練という住み分けがあるのですが、あんまり関係なくなっている地域もあります。

公共職業訓練(離職者訓練)

ものづくりかデスクワークか(古い言い方ですとホワイトカラーかブルーカラーか)によって、都道府県直属の施設で訓練を行う「施設内訓練」か、外部の専門学校などで訓練をする「委託訓練」という違いがあります。

求職者支援訓練

社会人としての基本的な能力(ビジネスマナーなど)と基本的な職業スキル(パソコンの基礎など)を身に付けられる「基礎コース」、基礎&実践的な技能(パソコンの基礎~上級、簿記3・2級など)を身に付けられる「実践コース」とにわかれています。

 

どの訓練も仕事をしておらず、かつ就職意欲のある方が受けることが出来るということが共通しています。

ゴールは就職していただくことなのですが、就職するためには資格でしょ!ということで、資格を取得できるカリキュラムになっている(検定試験が受けられるレベルに達する)場合がほとんどです。

「検定試験」は、任意受験になります。検定試験に合格したら資格が手に入ります。
または介護や建設機械操作の訓練など、訓練を無事修了したら自動的に有資格者になれる訓練もあります。

厚生労働省のホームページ内にも職業訓練のページがあります(やや見づらいかも)。

外部リンク ハロートレーニング(厚生労働省HP)

 

職業訓練の内容

1.スキルアップ(知識の習得と資格の取得)

色々な職業に就くことを想定して、各学校がカリキュラムを組んでいます。

つまり該当の訓練を修了できれば、その職業に関しての知識やスキルが身に付くということです。

訓練という名前がついていますが、主に座学として学校の授業みたいに講師の話を聞いて知識を吸収するものがメインとなってくるでしょう。

またパソコンであれば操作の取得がメインですので、実際にパソコンを操作する実技の授業があったりします。
他にも、ものづくり系の訓練であれば何かを作成したりもしますし、介護などの訓練ですと現場実習的なものがあったりします。
建設機械操作系も同じで、操作の実習があります。
プログラミング系だって事務系だって現場実習が組み込まれている訓練もあります。

訓練の途中または修了間際に検定試験を受験し、資格を得るということが一つの目標となっている訓練がほとんどです(大抵2~4つくらい)。

例えばパソコンであれば人気のMicrosoft Office Specialist試験やWebクリエイターの試験、事務系の訓練であれば日商簿記検定、介護や医療事務の資格といったものまで様々です。

訓練は任意受験なので受験しないという選択もできますが、せっかく受講したのなら資格は取っておいた方がよいでしょう。

2.就職してもらうことが最大の目標

この職業訓練は国の政策であり、就職をさせるという目的に沿って税金を使って運営されています。

ということは、受講生には適正な知識や技術を身に付けて早期就職してもらうことが学校の実績であり評価になってきます。

つまり、評価=就職率です。

就職率が悪い学校や授業の質の悪い学校は、次から訓練の開講のチャンスが少なくなってきます。

そのため大抵の学校は再就職に必要な知識やスキル、資格を身に付けていただいて、さらに就職指導もきっちり行い、早期に就職してもらうのが訓練の最大の目的になっているはずです。

そして国や県が主催しているということもあり、授業の質の悪さだとか講師の態度の悪さなどは全てハローワーク等にクレームを入れられるようにもなっており、その内容を踏まえ学校に指導が入ります。

以上の観点から、講座の質や就職指導という面ではそれなりに安心しても良いでしょう(まだ全国には悪い学校もあるみたいですが)。

たまに説明もろくに聞かずに入校し、レベルが高すぎる(又は低すぎる)などとお嘆きになり退校される方もいらっしゃいますので、学校に問い合わせるなどして疑問点を解消しておきましょう。
大事なのはしっかり取捨選択することです。

この辺りは、きちんと調べてから応募しなさいよという点で、就職活動で会社に応募するところに似てますね。

 

職業訓練の期間・時間・休日

基本3か月間です。地方によりますが、デュアル型訓練と呼ばれる企業実習つきの訓練は4か月以上だったりします。中には2年間の訓練があります。

だいたい50分授業を6コマという感じが多い(ということは3か月訓練だとおおよそ330時間前後)と思いますが、訓練によりけりです。

土日祝日は基本休みで、お盆や年末年始もあります。カレンダー通りといえばわかりやすいかもしれません。
訓練によっては何でもない平日が休みなこともありますが、たいていその日はハローワークで求職活動をするために平日に休日を設けている場合もあります。

また1年以上のコースでは夏休みや冬休み、春休みなどがあることがあります。

 

休みたい場合や不要な科目がある場合

欠席は可能です。
ただ出席率というものがどちらの訓練にも設けられており、基準をクリアできないと訓練は退校させられます。

この職業訓練は、社会に出る前の準備期間と考えられてもいます。
就職するための訓練なのに休みまくるのは社会人としてどうなのよ?!ということと、税金の無駄遣いということです。

あと様々な科目がセットになっている訓練が大半です。

例えばパソコンを例にとってみると、WordとExcelとPowerpointとAccessが学べて資格取得のレベルまで行きますよという訓練があったとします。

でも自分はExcelは出来るからいらない、と思ってもその授業を休んだり、他の科目に振り替えたりすることは出来ません。

まあこういうこと言う人は思ってるより出来ないんですけど、それはまた別のお話。

セットですから定められたカリキュラムを全員受けなければならないということです。
集団受講ですから協調性を試されていると思ってください。

 

訓練の社会的評価

それなりにあると思ってください。
何せ訓練を受けたくて仕事を辞める人もいるくらいです(笑)

経験はないけど訓練を受けたのなら大丈夫だね、といった具合に評価され、そして内定を得た方は数知れません。

もちろん訓練で取得可能な資格は全て取得したという大前提です。

職業訓練の中で取れる資格は取得したほうが良いのか?みんな取るの?
職業訓練では資格が取得できますが、取るべき理由をはじめ、職業訓練の資格勉強について色々書いてみました。

実際に就職につながるの?

まず就職指導に関しては、このサイトみたいに転職ノウハウの授業として履歴書の書き方や面接の受け方、電話応対やビジネスマナー、職場でのコミュニケーション力を鍛えようだとか、就職ウラ話などの就職指導を充実させている学校が多いです。

先ほどお話したとおり、就職率は学校の評価そのものになります。
そして訓練校の就職率が高いとその訓練校には色々とうま味がありますので、学校に所属している就職支援担当が必死に就職させてくれます。

ですから、就職につながるかつながらないかで言えば「つながる」でしょう。
もちろん訓練校の就職支援担当とあわない人もいらっしゃるので、全員とは言えませんが…

この就職のお話や就職率などの詳しいお話とウラ話的なものを以下の記事にまとめましたのでご覧ください。

職業訓練校が訓練生の就職に熱心な3つの理由と就職率のカラクリ
職業訓練に通うと就職指導がやたら熱心です。親身ならいいのですが押し付けは困りますね…。また就職率の計算の裏側を暴露。

また派遣会社などの人材紹介会社が訓練校の母体となっている場合は、仕事のあっ旋をしてくれることもあります(あまり数は多くありませんが)。

さらにこんなレアケースも
ちょうど退職などでその職業訓練校の人手が足りない場合、職業訓練生の中から良い人材をそのまま職員や講師として雇ったりするケースもあるため、あっさりと就職が決まったりします。
学校側もその人物の「人となり」は訓練期間で見ており十分すぎるほど把握してますから、下手な面接で外部の人材を採るよりもよっぽど効率的です。
ですから訓練態度なんかも重要だったりします。
例えば、無断欠席するような人とか、いっつも授業中寝てるとか、提出物を遅れて出してくるような人とかとは一緒に働きたいと思いませんよね(笑)
詳しくは以下の記事をご覧ください。
いいことあるかも?!職業訓練の受講態度に気を付けたほうがよい3つの理由
職業訓練は、たんなる資格や知識を習得する場所ではありません。そのため訓練中の過ごし方など、意外といろいろなところを見られています。

 

職業訓練の費用

受講料は無料で、それどころか公共職業訓練で雇用保険(失業手当)の受給がある場合は、いろんな手当をもらいながら訓練に通えます。
詳しくは公共職業訓練と雇用保険について書いた記事をご覧ください。

特に上記で挙げた2年の訓練は、雇用保険(失業手当)と交通費は2年間まるまるもらえます。
さらに学割が適用されるため、いろんな施設等で学割が使えてしまいます。
思わずおいしすぎわろたwwとか言ってしまいそうですが本当においしいと思います。

雇用保険が受けられなくても、一定の条件を満たせば「職業訓練受講給付金」をもらいながら訓練に通うこともできます。
一定の条件が割と複雑ですので詳しくは以下をご覧ください。
さらに詳しくはハローワークにお問い合わせください。

外部リンク 職業訓練受講給付金(厚労省HP)

なおこの制度は求職者支援訓練でも使用可能です。

ちなみに受講料は無料ですが、テキスト代は受講者が負担しなければならない学校がほとんどです(大抵15,000円前後に収まっているはず)。

ほかにも検定試験代は自己負担です。
検定試験代は落ちたらもう一回払わないといけないので、死に物狂いで一発合格を目指す方が多いです(笑)

また工業系の訓練ですと、検定試験代以外に工具費やユニフォーム代が自己負担となります。
これらは10万円くらいかかってしまいますが、普通に学校に通うとその10倍くらいしますので、断然お得と言えます。

 

公共職業訓練と求職者支援訓練、どっちがいいの?

求職者支援訓練の方は雇用保険(失業手当)を受けられる人が通えないので、ほとんどの方が公共職業訓練になります。

事実、都心部は公共職業訓練はかなりの人気で、定員を大きく上回る応募があることがほとんどで、求職者支援訓練はあまりに人が集まらないので、事業から撤退する学校が多いです。

求職者支援訓練は、元々リーマンショック時に焦って作った基金訓練という企業側にも受講者側にも色々うま味が多かった穴だらけの訓練がベースになっており、それらの穴を塞ぎに塞いで作られていますので、出席管理などは厳しく、下手すると会社よりガチガチです。

逆に言えば学校側もガチガチの縛りや条件を乗り越えて訓練を開催にこぎつけていくため、きちんとしているということにもなりますが、これは正直に言うと公共職業訓練とそんなに変わらないでしょう。

雇用保険がもらえる=直近まで働いていた方が多いためなのか、受講生の質も公共職業訓練の方が良いような気がします。

両方共通のメリット・デメリット

メリット

  • 受講料が無料で再就職のためのスキルや技術が身に付く
  • 就職支援が熱心だと思うので、早期就職を目指す方には非常に良い制度
  • 就職情報が充実している
  • 訓練の種類が豊富
  • 過度な馴れ合いは禁物だが、「就職」という同じ目標に向かっている人が周りにいるため励みになる、普通では知り合えないような職歴や境遇の方と情報交換できるかも
  • 自分がその訓練で学ぶ職業に向いているかどうかがわかるので、自分を知れ、今後の進路の参考にもなる→逆に、向いていないと知ることも出来るということ(※重要!)

デメリット

  • 一部、失業手当+資格取得という目的だけで来ている人がいるため萎えることも
  • 地方(田舎)は壊滅的に訓練がない
  • 最低3か月、一応勉強しているとはいえ無職なので焦る
  • 一斉授業方式なのでついていけないと終了の予感

どちらとも言えない

  • 授業の質は高いと思うが、まだ学校によりばらつきがあるため、取捨選択がそれなりに難しい割に、重要である

 

公共職業訓練のメリット・デメリット

メリット

  • 該当者は雇用保険・交通費・受講手当などの各種手当てをもらいながら通える
  • 雇用保険がなくとも、条件を満たせば職業訓練受講給付金が支給される(ただし要件が相当厳しい)
  • 受講生の質がそれなり以上
  • 古い制度なので、昔から訓練を行っている学校は社会的に信頼があると見てよい

デメリット

  • 全体的に倍率が高く、都心部や人気の訓練(事務系)は特に顕著

どちらともいえない(?)

  • 就職に力を入れているため、スキルアップだけとか生半可な意気込みでは落とされる

公共職業訓練のさらに詳しいメリット等のお話は、以下の記事にまとめてありますのでご覧ください。

給付以外にもたくさんある!公共職業訓練を受けたくなる、6つのメリット
自称どこよりも詳しい、公共職業訓練を受講するメリットを金銭面以外で(笑)語ります。そして指導側じゃないとなかなか気付けないメリットも…

 

求職者支援訓練のメリット・デメリット

メリット

  • 雇用保険がもらえない人が受講可能で、倍率が低い
  • 該当者は職業訓練受講給付金が支給される

デメリット

  • 上記の給付金は、1分でも遅刻すると1か月分の手当てがカットされるなど、鬼仕様
  • 申し込み者が少なく、逆に最低開講人数を下回ることがあり開講されない恐れもある
  • 訓練中の規則が厳しめ
  • 受講生の質がいまいち

あれ、求職者支援訓練のメリットがほとんど書いてないじゃんって?
そうです、メリットは雇用保険が受けられない人が入りやすいってくらいでしょう。

 

終わりに

まとめますと、

  • 公共職業訓練の方が色々と良い

ということです(笑)

職業訓練に関して、少しでもあなたの理解の手助けになれたのなら幸いです。

申し込みなどのお話はこちらの記事をご覧くださいませ。
上記の記事では、申し込み方法以外に、ウラ話も少々載せておりますので是非。

また職業訓練についてもっと深く知りたい!という方は以下の書籍がおすすめです。
職業訓練の概要から申し込みや合格のコツなど、このサイトでも取り上げている記事もありますが、事務系以外の訓練に関しても詳しく載っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました