社会生活を送るにあたり、どこに行っても人間関係はつきものです。
会社を辞める理由の1位とされるのが人間関係であるように、悩む方も多いです。
とりわけ新しい環境で生活するうえでのひとつに、この人間関係の不安というものがあります。
それは職業訓練でも同様ですが、果たして訓練での人間関係はどうしたらうまくいくのでしょうか。
まず知っておきたい、クラスの構成等
男女比率
受講するコースによって全然違いますが、たとえば事務やオフィスワーク系なら9割~10割は女性です。
逆に現場やものづくり系ならば、クラスの半分以上は男性であることが多いです。
以前建設関係の訓練にも携わったことがありましたが、事務系の逆で8割程度が男性でした。
年齢層
20代後半~50代が中心の印象です。
20代、60代がたまに混じるかな?という程度です。
ごくまれに10代の方もいらっしゃいますが…
事務系なら30代が一番多いです。平均年齢は35歳程度でした。
パソコンの初級レベルのコースなら40代~60代くらいが多く、平均年齢も45歳前後という感じです。
家庭環境等
あくまでオフィスワーク系のコースでのお話ですが、男性は独身の方がやや多く、女性は既婚の方が多いです。
特に女性の方は自身が仕事をしていない間も、ご主人の収入でなんとかやりくりできる方が多いので、主婦の方が多いということでしょうか。
あと事務系のコースはやはり家庭に入って子育てと両立ができる安定した仕事を…と考える方が圧倒的に増えますので、既婚女性が多いのも仕方ないかなと思います。
新婚さんも多くいらっしゃいますしね。
ほかの地域から引っ越してきた人(結婚やご主人の転勤)も多いです。
一方の男性は、失業手当に頼っていては家計が回らないので、早く就職をしなければいけません。
つまり比較的お金に余裕のある、独身の方が訓練に多く来ている印象です。
職業経験
こればかりはとにかくバラバラです。
就きたい仕事の経験がある人もいらっしゃいますし、未経験でキャリアチェンジを考えている方もいらっしゃいます。
同じように、最初から持っているスキルも差があります。
パソコンを習うコースでも、最初からそこそこパソコンを使い慣れている人もいますし、まったくの初心者の方もいます。
他にも家庭の主婦を長くやってきて、訓練で知識を得て働きたい(産後からの復帰)という人もいらっしゃいますし、正社員経験のない人などもいます。
退職理由も自己都合退職が一番多いですが、会社が倒産した人や結婚退社の方もいます。
就職意欲や訓練を受ける目的
職業訓練を受けることにより、失業手当が早く&長くもらえたりする方もいらっしゃいます。
そのためか、失業手当狙いで訓練に通う人も出てきます。
失業手当がたくさんある方は、訓練中もどこかのんびりしていますし、訓練が終わってからなんとなく就活やっておこう、くらいの軽いノリの方が多いです。

また飲み会大好きな人もいますので、そういうのが嫌な方は一定の距離を保ちましょう(笑)
ほかにも上でも書きましたが、転居してきた人ですと友達作りが目的のような方もいます。
「あの人何しに来てるんですかね?」なんて聞かれたり…
価値観が全く違うひとたちの集まりという言い方もできます(会社でも一緒だと思いますが)。
クラスの雰囲気はどう?
ムードメーカーな方がいらっしゃるかどうかで、クラスの雰囲気が決まってくることが多いです。
といってもムードメイクを通り越して仕切りたがりもいますが…(笑)
クラス全体が仲の良い雰囲気ですと、訓練中に飲み会をやったり、訓練修了後に打ち上げがあったりします。
就職しに来とるんじゃないんかーい、と思ってしまいます(笑)
てゆーか無職だよね?と思わず突っ込まずにはいられません(笑)
逆に一匹狼的な人もいらっしゃいますし、コミュニケーションが苦手な方もいらっしゃいます。
こういう方ですとワイワイなクラスはちょっと厳しいかもしれませんね…
短い期間なので頑張って我慢してください(笑)
一番多いと感じるのは、クラス内で特定のグループができていてそこそこワイワイしている、といった具合です。
訓練生同士で仲の悪いクラスもあるようですが、わたくしのところではほとんどありません(たまに強烈な人がいますけど(苦笑))。
要所要所を運営側がしっかり締めていくことも、クラスの雰囲気を作る要素のひとつだと思っています。
ということで、だいたいこんな感じに分かれます。
- 全体的におとなしい
- クラス内でグループができている
- 全体的に仲が良い
- 雰囲気が良くない
ではひとつずつ見ていきます。
全体的におとなしい
訓練がはじまってすぐの時期は、どのクラスも大人しかったりしますが、そのまんま話すタイミングを見失って訓練終了まで大した交流がなく終わってしまうというケースです。
職業訓練の醍醐味のひとつは情報交換でもあるので、非常にもったいないと言えます。
ほかにも、お互いの情報がまったく入ってこないので、他のクラスメイトがどれくらい就職活動を進めているのか、つまり進捗状況がわかりません。
そのため就活の進みが全体的に遅かったりします。
あとお世辞にも社交的には見えないため、面接試験に受かるのか心配してしまいます。
クラス内でグループができている
このパターンが一番多いかもしれません。
席の近い人同士が数人で仲良くなっていき、そのようなグループがいくつかある、ということです。
グループ同士が特別敵対しているというわけでもないです。
全体的に仲が良い
クラスの中にムードメーカや社交的な人物がいると、このパターンになります。
飲み会などもあるケースが多いでしょう。
運営側からしたら統率はとりやすい反面、いろんな情報がクラスに出回ってしまってやりにくいと感じることもあります。
また、みんながお互いに刺激しあっていきますので、勉強の成績や就職率が良かったりすることが多いです。
雰囲気が良くない
雰囲気が良くないクラスは、以下のようなちょっと困った人がいる場合が多いです。
- やたら質問してきて授業の進行を妨げたりする人
- 先生方に突っかかるような人
- テキストの誤字脱字や演習問題に難癖つける人(その科目の知識を持っている人に多い)
- 偉そうにしている人(高年齢の方に多い)
- 資格を取得しても意味がないとか、教え方が悪いなどと愚痴る
まあ他にもいろんな方がいらっしゃいますが…(苦笑)
これらの方がクラス全体の雰囲気を悪くしている場合もありますし、単にその方だけが要注意人物というだけで終わる可能性もあります。
特に一番最後の、”資格を取得しても意味がないとか、教え方が悪いなどと愚痴る”人は本当に多く、偉そうにしている人と共通するということもあります。
こういう方がいると周りに伝染し、確実に悪影響になり雰囲気が悪くなります。
このような人がいた場合、適当に話を合わせて聞く耳を持たないようにしましょう。
職業訓練の人間関係で心掛けること3つ
1.深入りしすぎない(距離を取る)
職業訓練は、短いと3か月、長くても2年です。
さすがに2年だと厳しいものがあるかもしれませんが、3か月ならば無理やり仲良くなったり深入りしていく必要はありません。
深入りすると思ってもないトラブルに巻き込まれたりするかもしれません。
親しい人を作って卒業しなきゃいけないわけでもありませんし、無理して作る必要もありません。
また、嫌な人と無理に接する必要もなく、一定の距離を取ることが大事です。
仕事とは違いますからね…
つまり、訓練期間中だけ当たり障りのないように過ごせるスキルが問われるということです。
嫌な人とのつきあいは、訓練中限りの関係と割り切ることが大事だと思います。
訓練が終わったらハイサヨウナラ、という方も少なくありません。
まあこういうドライな方は運営側と接する際もドライだったり、就職活動に関してもドライだったりするわけですが…(苦笑)
風紀委員みたいになってたのでまあ鬱陶しがられても当然と言えますが(笑)
せっかく自分のために入校したのに、人間関係で無駄に時間を使うのは非常にもったいないです。
(上のほうでも書きましたが)だからと言って全く友達を作らず修了していくのももったいないなーと個人的には思いますし、良い出会いがあれば一生ものの友達ができることもあります。
2.情報交換
職業訓練の醍醐味のひとつに、情報交換があります。
普通に過ごしていると出会うことのできないような経験をしている方もいらっしゃいます。
そのような方と積極的に会話ができれば、いろいろな情報を得ることができ、視野が圧倒的に広がります。
そして就職の手掛かりにすることもできることでしょう。
情報交換が活発な雰囲気の良いクラスですと、刺激にもなるため、相乗効果で就職率が高くなる傾向にあります。
2-1.職業経験など、仕事のことを聞く
あなたが就きたい仕事の経験がある方には、仕事の内容や雰囲気などをいろいろと聞くこともできます。
たとえば事務職に就きたいけど経験がなくイメージがわきにくい…という方は、事務職で実際に働いたことがある方に仕事内容などを教えてもらえるということです。
ほかにも、お互いの勤めていた会社の環境などの情報交換は、真っ先に行われていることのひとつでもあります。
2-2.訓練中の勉強のことを聞く(教えてもらう)
他にも、上でも書きましたが、コース内で習得できる知識をある程度持っている方もいらっしゃいます。
つまり、勉強を教えてもらうということです。
これも立派な情報交換です。
3.自分は自分、人は人というスタンス
3-1.他人と比較してへこまない
「隣の田んぼは青く見える」ではありませんが、ほかのクラスメイトと交流すればするほど相手のほうが勉強等ができることに気づき、凹んだり自信を喪失したりする方がいらっしゃいます。
能力や経験は他人と違っていて当然です。
それこそ学習のスタートラインも違いますから、いちいち他人を気にして凹む必要はありません。
たまに本当に模範になるレベルでよくできる(勉強だけではありません)方もいらっしゃいます。
そんな人をお手本にするのは一向に構いませんが、比較して優劣を考えてもしょうがありません。
別に成績を競っているわけではありませんからね。
ただし就職活動の進度はしっかりと把握しておいたほうがよいです。
周りがやっていないから自分ものんびりでいいや、は危険です。
3-2.マイナス意見に必要以上に耳を貸さない
上でも書きましたが、こんな資格なんて取っても就職には役に立たないなど愚痴ってくる人もいます。
このような人がいても絶対に相手のペースに乗せられてはいけません。
あくまで自分は自分、他人は他人というスタンスでいきましょう。
訓練に来ている意味をきちんと冷静になって考えてもらいたいです。
実際どんな人がいるの?変な人はいる?
職業訓練に長年たずさわっていると、いろんな人に出会います。まあ変な人もいますね…
というわけで実録としてまとめてありますので、暇つぶし程度にお読みください。

終わりに
まとめますと、
- 年齢・性別・家庭環境・目的・経験などすべてがバラバラの人たちが同じ目標に向かうのが職業訓練
- 雰囲気もクラスによってバラバラ
- 全体的に仲の良いクラスのほうが就職率が高い傾向
- 人間関係で心掛けることは
- 相手に深入りしすぎない
- 情報交換として有効に活用
- 自分は自分、人は人である
ということです。
つかずはなれず、が一番ということですね。
せっかく職業訓練という制度を使ってスキルアップ&就職へ向かうわけですから、つまらないことに巻き込まれたりせず、一定の距離を保って上手に付き合いましょう。
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