「公共職業訓練の試験を受けたが年齢で落とされた」
「いざ入校したがクラスに若い人しかいなかった」
このような体験談が割と多いです。
要は職業訓練も年齢の若い方のほうが有利なんじゃないか?ということでしょう。
また、受講者の年齢層を案外気にする方が多いです(別にいけないことでもなんでもありませんが)。
実際のところはどうなんでしょうか。
職業訓練を受講している人たちの年齢層、平均年齢は?
一応事務職転職お助けサイトなので、まずは事務関連の職業訓練の平均年齢。
事務系ですと30代序盤~中盤、パソコン系(Officeソフト習得系)ですと30代後半~40代前半、といった感じです。
モノづくり関連やビルメンテナンスなどは40代前半~後半くらいです。
IT系は正直携わったことがないので良くわからないのですが、比較的若めとは聞いたことがあります(あいまいですみません)。
ただどのコースにも言えることですが、あくまで平均なので、19や20歳の方もいれば、60代の方もいらっしゃいます。
また開講月によって若干の変動もあります。
年齢で合否を決められるのは企業の入社選考も一緒
「年齢を合否の判断材料にするのは良くないのではないか」
ごもっともの意見だと思います。
他の記事でも書いていますが、弱者と呼ばれるカテゴリの方々を助けるのが職業訓練のあるべき姿だとわたくしは思っています。
ですが、学校を運営していくのにはある程度の資金が必要になり、就職率も重要な要素になってきます。
そのため就職の可能性の高い人たち、つまり年齢がそんなに高くない人たちが合格していくのは仕方のない流れだとも思います。
就職活動で企業に応募する際に、そもそも年齢のせいで応募すらできない場合もあるかと思います。
俗に言う年齢制限です。
これは長く働いてもらうことが難しいのと、実際に入社してもらった場合に指導がしづらい、管理職や直属の上司がその人より若い等の理由が挙げられます。
このような形で、年齢によって振り分けられてしまうということです。
職業訓練も理由は違えど、同じように年齢で合否が決まってしまう可能性があるということです。
ではその肝心な、「年齢が高い人が落とされる理由」についてみていきます。
素直さ・謙虚に疑問
年齢が高い(講師が自分より若い)ことにより教えた内容を素直に聞き入れてもらえない、といったケースが後を絶ちません。
謙虚さが足りないというべきでしょうか。
「自分は大丈夫」「自分はこのスタイルでやってきたから変えるつもりはない」といった、長く生きてきたがために発生するプライドを前面に押し出してくる方も珍しくありません。
教えたこと以外でも、宿題を期日までに提出するだとか、「指示」にすらしたがってくれない方もいらっしゃいます。
そんな人はきっと就職することだって難しいでしょう。
就職したって自分より年下の人間の指示等に素直に従ってくれるとも思えず、企業からしたら非常に使いづらいことでしょう。
というより、講師の言うことを聞かないというのはそもそも何しに職業訓練に来てるんだろう?と思われても仕方ありませんね。
年齢関係なく、謙虚さは持っていたいものですが…
特に高年齢の方に多い傾向です。
期限内に就職することが難しいのではと思われる
上でも書きましたが、単純に世間一般では年齢の高い方は就職が難しいです。
ただでさえ就職が簡単ではないのに、「訓練修了後○日以内に就職」というような期限がついていたら、就職はより一層困難でしょう。
そのため、就職実現度という観点から、落とされてしまうということが考えられます。
下の方にも書いておりますが、特に事務系へのキャリアチェンジを希望されていると、一層厳しいものとなります。
カルチャースクールと勘違いしている
一概に年齢のせいとは言えませんが、中には就職のための訓練を趣味・教養の場程度にとらえている方もいらっしゃいます。
またこういった方は、自分が応募した訓練の内容を把握していないというケースも多いです。何となく○○が学べるっぽいから応募した、という感じです。
元々就職するつもりで来ているとは言いがたいため、当然就職もしないでしょう。
授業についてこれないかも
簡単に言えば、年齢による記憶力等の低下など、衰えの結果、授業についてこれないということです。
よく年配の方や40~50代の方が口にされますが、年取ったから覚えが悪いというのは結構ある話です。
努力次第でカバーされている方もいらっしゃいますが、カバーしきれない方もいらっしゃるのが現実です。
授業についてこれないと、その方は退校と言う選択をされることでしょう。
訓練校からしたら退校されてしまうと、収入が減ってしまいます。
その可能性を少しでも減らすため、最初から年齢の高い方を入校させないということも十分にありえる話です。
単純に筆記試験の点数が足りず落ちてしまう
これはもうどうしようもありません。
年齢による衰えからくることですので…
筆記試験は、40代くらいまでの方を中心としたターゲットに作られていることが結構あります。
そのため、それを超える年齢の方ですと筆記試験が難しいかも、ということなのです。
高年齢でのキャリアチェンジは難しいのです
40代後半以降の方で初のキャリアチェンジを希望されている方もいらっしゃいます。
つまり、未経験だから職業訓練で知識を習得し、希望の職へ就きたいというパターンです。
ですがこれは正直なところ、職業訓練に期待をしすぎてしまっています。
職業訓練で知識等を習得したところで焼け石に水と言えるほど、年齢の壁は分厚いです。
現場等であればまだ良いのですが、事務職へのキャリアチェンジは不可能と言っても過言ではありません。
経験者ですら事務職は簡単には就職ができないわけですから、未経験者でしかも高年齢ときたら…まず就職は無理でしょう。
そのような「キャリアチェンジ希望」を選考試験(面接)の場で述べてしまうと、就職実現度の観点から不合格になる確率がぐんと高まります。
嘘をついて入校しても良いのですが、後々自分が苦しくなります。
ですから、まずは現実をご覧になった方が賢明かと思います。
恨みつらみを言う前に
年齢で落とすのは不当などと騒ぎ立てる方もいらっしゃいますが、職業訓練は年齢によって受講を制限する、つまり年齢で合否を決めてはいけないということは…実は明確にはありません(都道府県によるかも)。
そのため、ある程度は仕方ないと割り切っていただくしかないと思います。
実際の企業面接でも年齢で落とされたりすることは十分にあるわけで、それと一緒なのです。
終わりに
まとめますと、
- 入社選考と同様、さまざまな理由により年齢による有利不利はある
- 訓練校的にやりづらいため
- 期限内の就職が難しいため
- 授業についてこれないため
- 単純に入校選考試験が若者向けになっていて難しいため
- 高年齢でのキャリアチェンジは難しい
ということです。
あくまで今回の記事の内容は筆者が携わった中での統計ですから、当然年齢の高い方で素晴らしい方はいくらでもいらっしゃいますし、就職出来た方もたくさんいらっしゃいます。
ですが、総じてみると「ちょっとね…」という微妙な感じの方が多いのが正直なところです。
特に未経験の職種の知識を習得する訓練を希望する場合は、諦めた方が無難と言えるでしょう。
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