職業訓練の退校5パターンと委託費のウラ話

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2018/3/3追記:4パターンとしていたものを、「認定試験に不合格による退校」というケースを加え、5パターンとしました。

職業訓練には途中で訓練を辞めるという、「退校」という概念が存在します。

理由は様々ですが、就職が決まったり自分の病気・家族の都合などで訓練に通えないため退校をするケースが多いです。

この場合は退校したい旨を訓練校の担当などに伝えて手続きをし、退校するというわけです。

退校には主に就職退校や自主退校、強制退校など色々な種類がありますが、以下の5パターンが存在します。

退校の種類

  1. 就職退校
  2. 自主退校(自己都合退校)
  3. 出席率不足による強制退校
  4. 訓練校が定める認定試験に不合格の場合による強制退校
  5. その他の理由による退校

まずはこの5つについて、それぞれ見ていきましょう。

また訓練校には委託費と呼ばれる、訓練生が学校に通っていることで学校側に支給されるお金が存在します。

訓練生が退校してしまうとこれらのお金がどうなり、またこれが訓練生の方々とどう結びつくのかも、あわせてお話していきます(ギリギリの内容を書いておりますので、まずかったら削除する可能性もあります)。

 

1.就職退校

就職退校はさらに、通常の就職退校と早期修了という2種類があります。
いずれも全く問題ない退校ですが、修了と同等の扱いになるのが早期修了です。

Ⅰ.通常の就職退校

就職のための訓練ですから、就職が決まったら迷わず退校を選択すべきです。

たまに訓練が終わるまで就職はしたくないという方もいらっしゃいますが、そうそう都合よく求人など存在しないため、縁だと思って訓練途中で退校して内定した会社にお世話になる方が良いでしょう。
また訓練を通い切ることに関してもあまり意味がありません。

「早々と内定を得たら訓練辞めなくちゃいけないから…」という考えで就活がおろそかになったりするのであれば、企業面接時に「できれば訓練は通い切って修了したい」などと申し添えておくのもひとつの手です。
意外と訓練修了まで待ってくれる会社も多数存在します。

ですが、せっかくなので最後まで通いたいからというような助平心(?)で内定を蹴り、結局就職が決まらなかったらまさに本末転倒です(こういう人、結構います)。

退校する際(就職が決まったら)は訓練担当者に申し出をし、決まった手続きを取ります。

Ⅱ.早期修了(繰上修了)

おそらく公共職業訓練だけの制度かと思われますが、一定の条件を満たせば、通常の就職退校よりもワンランク上の「早期修了(繰上修了)者」として退校(修了)することが可能です。

これの何がワンランク上なのかと言うと、修了証書が発行されるため、修了者と扱いがほぼ同等です。

つまり「本来の修了日より一足先に修了しましたよ」ということになります。

この早期修了(繰上修了)をするためには、以下のやや厳しめの条件をすべてクリアする必要があります。

早期修了(繰上修了)の要件

  • 就職のため退校する(自己都合ではダメ)
  • 退校日の翌日、あるいは翌営業日からの勤務である
  • 退校をしても全訓練時間の80%の出席率がある

上記にも書きましたが、修了証書がもらえることと、今後の再転職のときに、履歴書に「職業訓練を修了」したことを堂々と書けるというところが通常の就職退校との違いです。
ただそれよりも一応退校となり一足早く辞めるわけなので、訓練の授業をすべて聞けないことを悔やむ方が大多数です(笑)

 

2.自主退校(自己都合退校)

病気、親の介護、転居、妊娠など、自分の都合で訓練に通えなくなった場合は退校となります。

自主退校に関しては、基本的にあなた(受講生)の判断となります。

上記の理由でも訓練は通えるという方もいらっしゃると思いますが、例えば引っ越しであれば、引っ越しの準備があるから就職が出来ない…ということなら退校すべきでしょう。

自主退校に関しては詳しくまとめた記事も書いていますので、そちらもご覧ください。

退校はダメなことではない!職業訓練の自主退校をおすすめするケース5つ
職業訓練は様々な理由で退校することが出来ます。今まであった自主退校理由を一挙ご紹介。そして訓練校側の本音も色々と書いちゃいます。

退校する際は訓練担当者に退校の意思を告げ、決まった手続きを取ります。

自主退校されるとその日から一定期間(公共職業訓練は1年間)、別の訓練が受けられません。

自主退校時に雇用保険(失業手当)がどうなるのかは、こちらの記事に軽くまとめてあります。

 

3.出席率不足による強制退校

職業訓練に定められたルールとして、一定の出席率をクリアできないと退校になります。

具体的には、全部の訓練時間の80%の出席率が必要だとか、カリキュラム内の学科と実技のそれぞれ80%の出席が必要など、様々です。

もっと厳しいところですと、1時間休むと半日欠席したことと同等となったり、1か月の間になん日欠席したら退校となるなど、とにかくルールがバラバラです。
そのため、詳しくは訓練校の担当に問い合わせるのが確実です。

またこれも都道府県によって違いがあると思いますが、身内の葬儀・自身のインフルエンザによる出校停止など、「仕方なく休んでしまった」というような理由でも容赦なく欠席率が増えていきます。

よくいらっしゃるのですが、「自分は健康だから関係ない」と思っていても何が起こるかわかりませんし、何よりお子さんや家族の方など、自分以外が原因で欠席をしてしまうことが多々あります。
結果として、出席率が足りなくなり辞めていかれた方も見てきました。

雇用保険(失業手当)受給者の方は、欠席等をすることによりその日の各種手当がカットされていきますが、雇用保険の支給と出席率は全く別物になっていることが多い(つまり、欠席の証明があっても手当はもらえるが欠席率は増える)ので気を付けましょう。

ちなみに、欠席したら手当てはどうなるのか?という疑問は、以下の記事をご覧ください。

公共職業訓練を欠席・遅刻・早退したら雇用保険(失業手当)はどうなる?
雇用保険(失業手当)を受給しながら公共職業訓練へ通っている方は、万が一休んだら手当てがどうなるか気になるところ。そんな疑問を一挙解決?

また、台風による暴風警報が発令された場合は、訓練は強制的にお休みになりますが、欠席と同等の扱いとなる都道府県が多いようです(わたくしの地方がこれに該当しています)。
つまり出席率がカウントされていくという無情なシステムになっているということです。

出席率がギリギリの方は、台風による強制欠席となり、結果的に出席率が足りなくて退校となってしまうということです。

台風が来た場合って職業訓練はどうなる?お休み?
台風が来た場合の訓練の取り扱いをまとめました。もちろん地域によって違いがあります。

上でも書きましたが、自分のこと以外での休みが続いてしまうと、台風のような不測の事態に出席率が足りなくなってしまいます。
出席率の管理はしっかりと行っておきましょう。

 

4.認定試験の不合格による強制退校

都道府県により認定試験を行わないこともあります。不安な場合はハローワークや訓練校に確認して下さい。

学校(あるいは都道府県)が定めた認定試験と呼ばれる、確認テストに合格できないと退校させられる場合もあります。

わたくしの携わっていた都道府県では「認定試験に合格できないと修了証書が発行できません」という名目でしたが、要は退校であるということを柔らかく伝えているだけでした。

この認定試験の内容は訓練校側で決められることが多いため、内容にかなりばらつきがある様子です。
わたくしのところでは「そのコースで取得できる検定試験の模擬試験に合格する」という感じでした。

つまりWordとExcelのMicrosoft Office Specialist(通称MOS)資格が取れるコースであれば、WordとExcelのMOS試験の模擬試験を事前に行うからそれに合格しなきゃダメ、ということです。

結構厳密にやる感じではなく、これが出るからやっといてねーと事前に出題範囲が示されるといった、ゆるい感じで行うところもあります。
訓練校側も「落とす試験」にしておらず、「通す試験」にしているというわけですね。

 

5.その他強制退校

ひとことで言えば暴力行為や故意による器物破損など、「他の受講生や訓練校に迷惑をかける行為を行った場合」がこれに該当します。
訓練に通うことが適切ではないと訓練校側が判断した場合の退校です。

一部のスポーツみたいに、注意→警告→退校など段階を経る場合もあります。

この退校に関してはペナルティ的なものもあるかも知れません。
場合によっては警察も介入することになるためです。

基本この退校に該当するようなケースはほぼありませんが、一応訓練の初日(入校式)に行われると思われるオリエンテーション的なものの中で説明があるはずです。

基本こんなことはあってはなりませんし、ほとんどありませんが、以前基金訓練(現在でいう求職者支援訓練の前身にあたる)と呼ばれる訓練に携わったときは受講生の質が激しく悪かったため色々ありましたねぇ…(遠い目)

この色々は機会があれば執筆予定です(笑)

 

委託費と訓練生の関係

委託費とは?

この話をしてもいいのかどうかわかりませんし、何より細かい話になりますが、訓練校は就職率による報奨金とは別に、訓練を行うことによって得られる報酬(「委託費」などと呼ばれています)があります。

職業訓練はボランティアではありませんし、何より営利団体ですから、利益がなければ学校が潰れてしまいます。
また何よりお金が入るから一生懸命仕事(指導)するという、ある意味民間企業であれば当たり前の考えですから、この辺りは理解してあげてください。

商社の営業マンも成績があがらなければ給料に反映されず、やがて会社の存続にもかかわりますよね?
それと一緒のことです。

委託費の計算方法は?

具体的には、在籍者1人頭1か月につき○○円が訓練校に支払われるという取り決めがあり、合計額が算出されていきますが、訓練校にMAXの委託費が支払われるのは、訓練を最後まで通い切った場合です。

例を挙げますと、3か月訓練で1人頭1か月40,000円の委託費という契約で20人が全員、無事に訓練を修了したとすると、以下のような計算となります。

3か月訓練で1人頭1か月40,000円という契約で、20人が通い切った場合…

40,000円×3か月×20名= 2,400,000円(税別)

これを見るだけでも相当な金額が訓練校に入ることがわかります。

そしてこれはあくまで「通い切った場合」が前提なので、受講生の誰かが退校すると以下のように計算方法が変わり、減額されていきます。

受講生が退校したら?

上記の計算式が通常ですが、例えば20人のうち1人が訓練開始後1か月で何らかの理由(就職・自己都合など理由を問わず)により退校した場合は、1人だけ1か月分の委託費しか支払われなくなります。

つまり上記の場合だと40,000円×在籍しない2か月=80,000円が減額されるということになります。

このことは、「早く退校されると訓練校側に支払われる委託費が減る」と言えます。

就職等で退校されるのは大歓迎されると思いますが、訓練が始まってすぐに退校されるとその人の委託費がものすごく削られます。
ですので、退校する時期によっては歓迎されなかったり、あるいは引き止められたりすることがあるということです。

ただ訓練校によって方針は様々ですし、何より就職を重視している訓練校は多いと思います。
ですから、今回お話したような退校が歓迎されないことはあまりないかも知れません。

あなたが仮に訓練校の担当に退校の意思を伝え、やたら引き止められたらこのような考えが訓練校側にあるかも知れません(笑)

早く退校しそうな人は入校選考試験の段階で不利?

すぐ上にも書きましたが、学校によってはこの委託費を重視しているところもありますので、ひょっとしたらすぐに退校しそうな人は入校させてもらえない可能性もないとは言えません。

ホントにこればかりは学校側の方針によるでしょう。

ちなみにわたくしが関わっていた学校は就職最優先だったので、退校の可能性が不利になっていたことは一切ありませんでした(明らかにやる気のなさそうな人を除く)。

 

終わりに

まとめますと、

  • 退校には就職退校、自己都合退校、出席率不足による退校、認定試験不合格で退校、その他の退校の5つ
    • さらに就職退校には通常の就職退校と早期修了の2種類
  • 訓練生が途中で退校すると、理由を問わず学校がもらえるお金が減る

ということです。

最後に割と裏側まで書いてしまってこんなこと言うのもなんですが、訓練修了までいることに意味はありませんし、自主退校は悪いことでも何でもないので、訓練に通うのが厳しいと感じたら迷わず退校を選択するべきでしょう。

以下の記事も参考していただけたらと思います。

退校はダメなことではない!職業訓練の自主退校をおすすめするケース5つ
職業訓練は様々な理由で退校することが出来ます。今まであった自主退校理由を一挙ご紹介。そして訓練校側の本音も色々と書いちゃいます。

何にしろ、無理をしないのが一番ですね。

【▼関連記事が下にありますので、よろしければ是非ご覧ください。】

職業訓練
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コメント

  1. はな より:

    興味深く読みました
    知り合いがテストが悪くて
    強制退校させられたのですが
    出席もしてるのに
    文句を言わないという文面に
    一筆書かされたりして
    おかしくないですか?
    もしよければ教えて下さい

  2. jimusniper より:

    訓練中に確認テストというものがあり、それに合格できないと退校措置をとる学校(あるいは都道府県)もあります。
    受講生の進退に関わることは学校単位でのルールとして決められないはずですので、おそらく都道府県での取り決めになるかと思います。
    お知り合いの方はそれに引っ掛かってしまったのではないでしょうか。

    ただ、一筆書かせるのはやりすぎでしょうね…
    一筆書かせるということは、もしかしたら学校側がこっそりやっていることかも知れませんね。

    • Q より:

      本来、就職困難な人達を救済する制度だと思うのですが、殆ど通ってる人達は通わなくても即就職できる人達が多い気がします。助けなくてはならない人を退校に追いやり、助ける必要のない人達を残す委託校って高額の委託金目当てだと思います。
      人をみず金をみている!訓練校失格!誰がその委託校を許可したのでしょう?
      許可した人も、金目当ての委託校とグルなのでしょうか?

      • jimusniper より:

        公共職業訓練の場合、委託校の決定は都道府県が行うはずです。
        そのため、委託校とグルといった話になりますと確実に談合等でアウトですので、不正の入り込む余地はないと言えます。

        また記事にもある通り、退校させると逆に訓練校としては収入が減るのでうま味がなくなります。
        そのため、お金目当てで退校させることは通常はあり得ないと言ってもいいでしょう。
        退校に追いやるということもあってはならないのですが、あるとしたら出席率不足や既定のテストにクリアできなかったとか(これは後々記事内に追記します)、素行不良等でしょう。
        (ただまあ全国の訓練校を把握しているわけではないですので、退校させるためにどんなことが行われているかはわかりません。いただくメールの中には、びっくりするようなことをさせられたという相談もありました。)

        通わなくても即就職出来る人たちが多いという意見に関しましては、コース内容や希望職種によりけりです。
        このサイトのメインコンテンツである事務職への就職を目指すのなら、倍率はかなり高いですので訓練に通わないとほぼ就職できない、という方が多いです。

  3. Q より:

    委託校の経営存続のために失業者をくいものにしていることはないですか?それに、授業態度が悪くて退校なら納得しますが確認テストで成績が悪かったら即退校?おかしくないですか?確認テストが優秀なら良い就職先を保証してくださるんですか?一生懸命就職をしたくて頑張っている人を病気になるほど追い込んでしまう委託校って存在意味ありますか?建前と本当のところは違うような気がしてならないです。ひとり受け入れると委託校に何万か入ってきますよね?経営のことしか頭にないような気がしてならないです。本当のところどうなんでしょうか?

    • jimusniper より:

      テストの成績うんぬんは基本的には都道府県や国が決めていることなので、委託校が介入できる余地はないはずです
      (例外があったらそれは委託校の取り決めだと思いますが、そういうケースは少ないでしょう…)。

      経営に関してはもしかたらそういう利益主義の学校もないとは言い切れませんので何とも言えませんが、
      訓練はボランティアではないため、一定の利益の確保も必要とも思います(決してかばうつもりはありませんよ)。
      また病気になるほど追い込むことと利益主義の因果関係もいまいち見えてこないのが正直なところです(利益を追求しているのなら、逆に病気だろうが辞めさせないと思うため)。

      わたくしもいち民間企業(資格予備校)に勤めていただけの人間でしたので、全国の学校さんのことを把握しているわけではないです。
      むしろ知らないことの方が多いんです。
      ですから、疑問・苦情等は全てハローワークに直接尋ねられた方が効果的と思います。
      本当におっしゃることが行われており、なおかつまずい事案であると判断された場合、確実にハローワークや都道府県から委託校に指導が入るはずです。

  4. 新田 より:

    職業訓練と就職先の県が違う場合はどうなるのですか?

    • jimusniper より:

      例えば東京の学校で訓練を受けたが神奈川の会社に就職した、という意味でよろしいでしょうか。
      この場合は全く問題ありません。
      訓練が終わってから引っ越す人もたくさんいらっしゃいますしね。

      国・都道府県は「どこで」就職したかではなく、「どれくらいの期間で」「1週間にどれくらいの労働時間か」が重要と考えられています(将来的にこの基準は変わるかも知れませんが)。
      「長期の安定した雇用に就く」のが名目のひとつであるためなんでしょうが、まあ就職先の職種が重要視されていないあたり、役所仕事と言ってしまえばまさにその通りです(笑)