わたくしが指導している際に最近感じるのが、面接試験において「ストレスの発散方法」を質問されている人が増えてきたな…ということです。
現代はストレス社会と言われています。
中にはストレスを溜めに溜め込んで一気に爆発して会社に損害を与えてしまうなど、ストレスコントロールが苦手な人もいらっしゃるということなんでしょう。
まさに世相をよくあらわした質問と言えます。
果たしてどのように答えるのが良いのでしょうか。
ストレス解消法の質問に正解は特にない
この「ストレス解消法」の質問には、実はこれといった正解はありません。
あえて正解を挙げるとすると「あなたなりのストレス解消法を持っていることが正解」です。
そのため、ストレス解消法を特に持っていない場合は何か考えた方が良いでしょう。
またストレス解消法の中でも、相手に与える印象が悪くなる回答は多々あります。
次の項目ではそれらを見ていきます。
ストレス解消法の質問で答えてはいけないこと
- ストレス解消法が無い、ストレスを感じない
- たばこ
- ギャンブル・散財行為
- 飲酒
- やけ食い
- SNS
- 友人に愚痴る
- その他、社会人としてふさわしくない行為
ほとんどが常識に照らし合わせると納得できるようなものばかりです。
ではひとつずつ見ていきましょう。
ストレス解消法が無い、ストレスを感じない
ストレス解消法が無いということは、ストレスを溜め込むタイプだと思われてしまいます。
発散できないとどこかで大爆発…なんてことも想定されるでしょう。
よって、何かしらストレス解消法を作っておくことが大事です。
実際にストレスを感じたら何をするだろう?とか、普段やっていることが思わぬストレス解消につながっているかも知れませんので、ご自分の生活ルーチンを一度振り返ってみるのもいいでしょう。
またストレスを感じないのは正直嘘くさいです(笑)
本当にストレスがなくとも、一応面接の場ですので、何かしら建前として解消法を答えておきましょう。
たばこ
たばこでリラックス…は社会人の方に多いですが、健康面の理由で避けておいた方が無難です。
面接官が喫煙者だったら賛同されるかもしれませんが、まあやめておいた方が良いでしょう。
ギャンブル・散財行為
元々の世間一般のイメージが良くないことに加え、どうしても散財してしまうというイメージが強すぎます。
趣味を答える場合と同じですが、面接の場ではギャンブルのことを話すのはNGです。
散財行為に関しては、ブランドものを買い漁ることでストレス解消します!みたいなのです。
ブランドものはそんなに簡単に手が出せませんよね。
ですから、日々のストレス解消と言われると…ちょっと違うと思います。
確実に金銭感覚を疑われてしまいます。
飲酒
これは必ずしもダメとは言いませんが、あまりおすすめはしません。
本当に1杯だけと決めていて、それ以上は飲みませんなど…きちんと線引きができているならとりあえず大丈夫かな、というくらいです。
飲みすぎて二日酔いが当たり前…みたいな飲み方をする人はNGでしょう。
あと酒が入ると気が大きくなり、後述するSNSや愚痴といったところにもかかわってきます。
やけ食い
実際に多いんでしょうけど、散財・健康面においてよろしくないです。
あとは反動が凄そう…(笑)
SNS
時代を象徴していますが、SNSでストレス解消!と言われたら愚痴を想像する人は多いのではないでしょうか。
会社の人間の悪口をSNSに書いて、それを会社の人間が見たら…どうなるかわかりますよね(笑)
他にも、SNSの手軽さゆえに起こる事件として、機密情報流出なども騒がれています。
「手軽に投稿されていつか情報を漏えいされないだろうか…」といった心配もされてしまいます。
というようにネットリテラシーの観点も踏まえ、SNSは答えない方が良いでしょう。
友人に愚痴る
これはすごく多いとは思いますが、愚痴る場所と内容によっては非常に危険です。
公的な場で愚痴を大声でこぼしてしまうと、誰が聞いているかわかりません。
下手すると情報漏えいにもつながったり、会社に損害を与えてしまうケースもあります。
他にも愚痴の多い人間は周りを不快にする傾向にあるため、会社側からも敬遠されがちです。
ということで友人に愚痴るという回答ではなく、「友人と昔話に花を咲かせる」「将来の夢を語り合う」という回答に変えてしまいましょう。
その他社会人としてふさわしくない行為
たとえば大声を出すとか、暴力行為、暴走行為、アダルトな回答、あきらかな犯罪など…「社会人としてふさわしくない行為」というよりも、そもそも「人としてまずい」行為はNGです。
当たり前と言われてしまうかもしれませんが、一応…ね(笑)
好印象を与えられそうな回答
身体を動かしているような内容が一番理想です。
健康面においても良く見えますし、健全だからです。
でも別にインドアなものでも構わないと思いますけどね。
趣味的かつ一般的?なストレス解消法
- カラオケ
- 散歩やウォーキング、ジョギング
- 筋トレや体操・ヨガ
- ドライブ・旅行
- テレビ鑑賞
- 音楽・絵画・映画・ライブ鑑賞
- スポーツ観戦
- (手ごろな)スポーツをする
- 風呂・サウナに入る
- ゲーム
- 読書
- エステ・マッサージ・リラクゼーションサロンに行く
- 友人と会う(女子会とは違いますよ(笑))
- お出かけ・カフェめぐりなど
- ひたすら寝る
- 子ども・ペットと遊ぶ
- 料理やお菓子作り
- 掃除
とまあ王道といえば王道なものばかりです。
他にも挙げたらキリはありませんが、基本的には趣味ということですね。
スポーツ観戦はテレビだけではなく実際に現地に足を運ぶとか、読書も単に家で読むのではなく、天気のいい日は公園に行ったりする…などです。
ちょっと変わったストレス解消法
- ひたすらキーボードでタイピング
- 模様替え
- ひたすら一点を掃除しまくる
- ひたすらりんごの皮をむくだけ(実際いました…(笑))
- アウトドア・レジャーの計画を立てるだけ(たまに実際に行くとか)
なんといいますか、「え…そんなんでストレス発散できるの?!」みたいなものが並んでます(笑)
りんごの皮むきなんて逆にストレスになりそうな…(笑)
ストレス解消法なんて人それぞれ。
ちゃんとした解消法を持っているかどうかが重要なのです。
他のサイトで面白いものがありました。
パン屋の面接でご飯を思いっきり食べることがストレス解消、みたいなのはNGという説明です。
なるほどなーとちょっと思ったのはここだけの秘密。
じゃあウレタン工場の面接に行って、「ストレス解消法はウレタンをひたすら引きちぎります!(キリッ)」…とかはダメということですね(ねーよ)。
内容・ストレスが解消できる理由・頻度などエピソードを交えて回答
例えば「身体を動かすことがストレス解消になる」と回答したとします。
すると面接官から「身体を動かすことでなぜストレスが解消できるのか?」と突っ込まれたときに、きちんと理由を述べられる必要があります(もちろん先に理由を添えて回答してもOK)。
他にも頻度(回数)も問われることがあります。
年に数回…ではストレス解消法としては無理がありますね。
ちなみにこの場合は「週末に無心になって身体を動かすと、嫌なことも忘れてしまい気持ちが切り替わります」などで良いでしょう。
ストレスなんてものは精神的なことですから、精神論も入ってくるでしょうし、あまり難しく考える必要はありません。
さらに突っ込まれて「具体的にどんなことをしていますか」などと聞かれるかも知れません。
この場合はランニング、テニス、フットサルなど…具体的なスポーツ名を挙げていくと良いでしょう。
このように、嘘であれば答えられないような質問をしてきますので、本当のことを回答しましょう。
以下の点に気を付けて回答してください。
- 頻度(回数)はどうなのか
- ストレス解消になる理由は何か
- いつ頃からやり出したのか
他にも内容によっては誰とするのか、誰にあげるのか、感想…など、いろいろと突っ込まれることもあります。
毎日行えるものである必要はない
よくいろんな解説で「ストレスは毎日発生するのが前提だから毎日手軽に行えるものでないとダメ」というものを見かけます。
しかしわたくしは別に毎日でなくとも問題ないと思います。
日頃は自由時間がなかなか取れない方もいらっしゃいます。
そのため週末に思いっきり発散する…という人もいますので、そういうのも全然ありです。
きちんと日々のストレス解消になっていることが伝われば大丈夫です。
ストレス解消法を聞かれる理由
最後になりましたが、ではなぜ面接でストレス解消法を聞かれるのでしょうか。
ここまでちらほらと書いてはおりますが、改めて整理して見ていきたいと思います。
ずばり、コンプライアンスやコミュニケーション能力の確認と長く働けそうかの確認として質問をしてきています。
そしてもうひとつ、応募者が実際に働いて溜めたストレスにより会社が損害を被らないかというところでしょう。
SNSでストレス発散…なんてのはコンプライアンス的に問題ですよね。
他にも同僚や上司、顧客などとコミュニケーションがうまく取れないとストレスを感じる人もいらっしゃいます。
応募者がストレスを上手く発散できない、あるいは発散の仕方に問題があれば、ストレスが原因で欠勤や退職されたりする可能性が高まります。
他にもSNSが炎上する騒ぎになったり、他にはストレスが限界になり突如として顧客に暴言を吐いたりと…会社からしたらものすごい損害を与えられてしまうかも知れません。
その辺りを総合的にとらえられるのが「ストレス発散方法」の確認なのです。
そういうわけで、ストレスと上手に付き合える人物を採用したいと思うのはある意味当然ではないでしょうか。
終わりに
まとめますと、
- コミュニケーションやコンプライアンスの確認で問われる
- ストレス解消法にこれといった正解はない
- ただし常識的なものを選択すること
- ストレス解消になる理由や頻度もちゃんと答える
ということです。
よほどでない限りは絶対的な有利・不利はありませんので、奇をてらった回答などは必要ありません。
しかしなるべく面接官が安心するような回答を心がけましょう。
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