職業訓練の中で取れる資格は取得したほうが良いのか?みんな取るの?

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職業訓練のコースは、必ず資格が取得できるようになっています(合格するかは別問題)。

職業訓練は早期就職をするための制度であり、そして資格は就職活動を有利に進められると考えられているからです。

さてこの資格ですが、一応は任意受験となっておりますので、受講生のみなさんは「受験をしない」という選択肢もあります。

受験しないのは実にもったいないなーというのがわたくしの感想ですが、ここでは資格を取ることのススメをお話しておきます。

なお事務系でおすすめの資格については、以下の記事をどうぞ。

資格予備校勤務経験の筆者が語る、事務職への就職に有利なおすすめ資格
パソコンや簿記の資格があると有利って何となくは聞いたことあるけど…資格予備校勤務経験の筆者が本音でそれらをずばり斬る!
事務職において欠かせないパソコン関係の資格
今やパソコンが使えて当たり前の時代。事務職ならば当然使えますよね?という風潮です。ここではおすすめのパソコン資格をご紹介。

 

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職業訓練で取れる資格は「自動取得」と「任意受験」の2種類

資格は、必ずしも取れるというわけではありません。
「自動取得」の資格と、「任意受験」の資格の2種類がありますが、任意受験のものは、試験に合格しなければいけません。

自動取得は、介護などの資格が主になります。
これは訓練カリキュラム内に必要な研修が組み込まれており、訓練が終わると自動的に必要な研修もすべて終わったことになるため、資格が与えられるというものです。

一方で、任意受験はほとんどのものがこれに該当します。
自分で試験を受けて合格する必要があるものです。
これからお話しすることは、こちらの任意受験の資格についてとなります。

 

資格の効力は大別すると3タイプ

資格は主に3タイプの効力を持っています。
ご自分がどういう方向に進みたいかを良く考え、資格を取るべきかを判断することが大切です。

  1. 必須資格
  2. 持っていると有利になる
  3. 持っていると不利にならない

1.の「必須資格」は、「挑戦権」と言い換えるといいかも知れません。
求人票にもよくある「必要な資格」欄に書かれている資格です。
看護や一部の介護、その他に国家資格などでしょう。
たとえば必要な資格欄に「簿記2級」と書かれていれば、簿記2級を持っていないと応募ができません。
つまり「その資格を持っていないと、挑戦権すら得られない」という資格です。

2.の「持っていると有利になる」資格は、「武器」と考えて下さい。
たとえば経理に行きたければ簿記3級や2級を持っていると採用される確率があがる、ということです。
事務系でしたら秘書検定、TOEICなども該当します。

3.の「持っていると不利にならない」資格は、ほとんどの仕事で使うスキルや資格が該当します。
運転免許証やパソコン系の資格がそうですよね。
つまり取得をすることで「他のライバルたちと差をつけられないようにする」という意味合いの資格です。

ひとつだけ勘違いしないでいただきたいのは、ほとんどの資格は万能ではないということです。
特に訓練中、資格を取ることにただならぬ熱意を注ぐ人もいらっしゃいますが、あくまでメインは「就職する」ことです。
資格を取ったところで就職が確約されているわけではありません。
「やっと他の応募者と同じ土俵で戦える」程度に思っておかないと、不採用が続いたときのショックは計り知れません。

 

任意受験の資格はどれくらいの人が取るものなの?

訓練中にひとつ以上資格を取得する割合は約8割

まず、訓練中に目指す資格は、たいてい2つ以上設定されています。

たとえばパソコンですと、MOS試験のWord・Excel・PowerPointの3つが取得できる…など。

その中でおおよそ8~9割の方が、訓練中になんらかの資格を取得していきます。

20人クラスなら18人くらいが、ひとつ以上の資格を取るということになります。
さらに”取れる資格をすべて取っていく人の割合”となると、だいたい6~8割になります。

この8割という割合はいろんなところでも言われていますが、大体あっていると言えます。

ちなみに資格を取らずに修了した人の理由としては、

  • 単純に試験に受からなかった
  • 金銭的事情で受験を見送った
  • 訓練を受けているうちに進路の方向性が変わり不要になった
  • すでに資格を持っているから受けなかった

などが挙げられます。

すでに資格を取得していても、古いものは価値が薄れている

特に最後の「すでに資格を持っているから受けなかった」は、場合によってはもったいないこともあります。

MOS試験のWord・Excelの2013バージョンの資格が取れるコースを受講したとします。
この場合に、WordとExcelの2003や2007バージョンなど、古いバージョンを持っている人は試験を見送ることが結構あります。
この場合はちょっとバージョンが古すぎるので、受けなおした方が良いでしょう。

数十年前に取った簿記検定なども同じことが言えます。
内容も変わっていますし忘れていることも多いので、受験しなおした方が評価は高まります。

比較的最近に取得したのなら受けなおす必要はありませんが、取った時期が古いのなら新しく受けなおすことをおすすめします。

中には上級資格を目指したいという方も

MOS試験であればSpecialist(一般)ではなくExpert(上級)試験を受けたいという方もいらっしゃいます。
また簿記で言うと3級は持っているから2級を目指したいとか、3・2級同時に受験したいという方もみえます。

という感じで、訓練中に上級資格を目指してもよいのか、という質問はかなり多いです。

職業訓練は決められたカリキュラムに沿って授業を受けることが大前提ですので、訓練カリキュラム以外の勉強をすることは認められていませんし、質問も受け付けていないことが多いです。
ですから時間外に独学で勉強しなければいけません。

またはっきり言っておすすめもしません。
上級資格を目指したいのなら最初からそういう訓練コースを選ぶべきだと思います。

何よりも、職業訓練という制度を利用して、訓練外の範囲を勉強するのはいかがなものかと思います。
それならば訓練に通わずに独学で勉強するか、その辺のカルチャースクールなどで自分でお金を払って勉強しにいくべきでしょう。

 

職業訓練にて資格を取るべき理由3つ

1.なんだかんだで目に見えて能力を証明できる

特にパソコン資格は「わたし使ってましたんで大丈夫です」と自己申告するよりも、しっかりと資格を取得しておいたほうが、資格という目に見える形で能力を証明でき、面接において説得力もあがります。

いざフタをあけたら全然使えませんでしたという方もいっぱいいらっしゃるため、人事もそういう自己申告の方には採用も慎重傾向です。

ただ上でもお話ししたとおり、資格へ期待のしすぎは禁物です。
さらにパソコン資格などの「持っていても不利にならない」資格は、言い換えると「持っていて当然」という資格ですので、なおさら油断しないようにして下さい。

他にも、資格を持っていないと応募できない求人も存在しますので、その場合は「挑戦権を得る」ために絶対に取っておくべきでしょう。

2.目標ができ、学んだことの吸収率が良くなる

訓練に通っても資格を取らないということであれば、授業を漠然と聞き流すだけになってしまう人が多いです。

そういう人は「どうせ試験受けないから…」と家でもあまり復習をしたりしません。
合格するための行動をしないわけですね。

これはわたくしがはたから訓練生を見ているだけでも結構感じます。

訓練カリキュラムの中には、検定試験が存在しない科目も一定数あります(たとえばビジネスマナーとか、総務関係の授業など)。
逆に訓練生によく言われるのが、「検定試験のない科目はどうしても覚えようという意識が薄れてしまう」ということです。

検定合格というひとつの目標を定めることにより、それに向かって必死に勉強しますので、結果的にその資格を活かす・活かさないは関係なく、受験を目指してみてはいかがでしょうか。

3.この機会を逃すと次に資格を取ろうと思えるときは…いつ?

これまでのあなたの人生の中で、学生時代以外で資格を取得しようという気になった時期はありましたか?

おそらく「ほとんどない」と答える方が大半でしょう。

さらに仕事をしながら資格を取得するのは相当難しいです。
学生時代ならまだしも、社会人になったら仕事だけでなく、家のことも色々とやらなければならないという人も多いはず。

しかしこの職業訓練中は、少なくとも仕事はしていないため、資格の勉強に専念できる環境が整っていると言えます。

つまり資格を取るための勉強をしている訓練中が、まさに資格を取るうえで最適な時期というわけです。

しかもこの職業訓練は無料で資格取得のための知識を学ぶことができます。
このような機会は今後そうそうありません。

少し話が違うかもしれませんが、過去の訓練生の方でも学習の熱が冷めていった人もたくさんいらっしゃいました。
とある試験に落ちてしまい、次の試験日(数か月後)に取ると意気込んでいた人でも、実際に次の試験日に試験を受けた人はほぼいませんでした。
学校側から試験の申込期間がはじまっていることをしっかりと案内をしたんですけどね…

やっぱり勉強の熱は時間が冷ましてしまうものです。

どっかの流行語で「今でしょ!」というのがありましたが、まさにそれです(笑)

資格は取ろうと思った時がチャンスなのです。

まあ数か月たってその資格がいらない環境になった、ということもありますけどね…

 

その他にも理屈ぬきでお話をさせていただきますと、これはあくまで定員オーバーした場合の話ですが…他の応募者を蹴落としてまで訓練に入ったんだから資格を取らないともったいないということが挙げられます。
漏れた人の中には資格がどうしても欲しいとか、必要に迫られていた人もきっといらっしゃいます。
訓練に入れなくて悔しがっていた人も散々見ているだけに…ね。

すみません、3つの理由じゃなくて4つの理由になっちゃいましたね(笑)

 

資格を取ると変に期待されるから…という人も多い

これはどちらかというと資格を無事に取得した後に言われることが多いです。

資格を取っても実践で経験したわけじゃないので、変に期待されても困るから履歴書にあまり書きたくない…という方がいらっしゃいます。

ここは声を大にして言いたい。

じゃあなぜ資格を取ったのか?!と。

就職活動を有利に進めるためですよね?

経験がないから資格を取って知識を身に付けたわけですよね?

期待されなきゃ採用なんてされません!

そんなことを言ってしまう人は、未経験の仕事には一生就けません。
いや就こうと思って欲しくないです。

はじめから訓練なんか受けずに、資格のいらない仕事を目指してのんびり就活して欲しいです。

職業訓練に来た意味すら否定する発言です。

ということで、資格を取ったんなら堂々と履歴書に記入し、自信を持って就職活動をすすめましょう。

 

資格取得のために訓練で使う参考書以外のも買うべき?

結論から言いますと、買わない方がいいです。

こういう人はたいてい検定試験に合格できません。
いままで見ていると、やっぱりできのあまり良くない人が他の参考書を購入してしまう傾向にあります(そして試験に落ちるという…)。

まるで教え方やテキストが悪いから内容がわからないんだ!といわんばかりの行為です(笑)

授業についていけないから独自にテキストを買って違う切り口で勉強しようとするんでしょうが、先生の話を聞いて理解できないものを独学で理解ができるとは思いにくいのが正直なところです。

学校で使っているテキストに沿って授業が展開していくため、別の参考書を見ていると学習内容のすりあわせも大変です。
またいろんな場所から情報を吸収しようとするとパンクしてしまい、かえってあだとなることが多いです。

せっかく各教科の先生がいるわけですから、先生をつかまえて積極的に質問した方が圧倒的に理解もしやすく、また疑問も解決しやすいです。

 

試験日が遠い資格は履歴書に「合格見込み」と書きましょう

簿記検定や国家資格など、受験スパンが長いものは、訓練中に試験を受けられないことも多々あります。

その場合履歴書には「合格見込み」と書いておけば、勉強しているアピールになります。
資格が必要な会社への応募の際も、勉強中なら大丈夫ということで資格合格と同等に扱ってくれるところも割とあります。

もちろんきちんと資格を取っていないとダメという会社もありますが…まあそれはそれ、ということで(笑)

履歴書に書く資格の書き方についての記事は以下です。

手当たり次第書くのは厳禁!資格の記入─履歴書の記入事項(4)
資格欄はこぞって記入してきますが、あまりに色々な資格を記入すると単なる資格マニアと思われて終わってしまうことも…

 

終わりに

職業訓練で資格を取ったほうがいい理由をまとめますと、

  • 能力証明
  • 吸収率アップ
  • こんなチャンスはそうそうない

ということです。

8割以上の方が資格を取られるので、ぜひ取得して就職活動を有利にすすめましょう!

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