「職業訓練にアルバイトをしながら通いたい」という方がいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、訓練中のアルバイトは可能です。
ただし一定時間以上働くのであれば退校とみなされます。
ただし訓練校や都道府県によっては職業訓練中のアルバイトを禁止しているところもあるみたいです。
そのため、ハローワークに確認するのが望ましいでしょう。
そして雇用保険(失業手当)や職業訓練受講給付金を受給しながら職業訓練に通う方は、もうひとつ気になることがあると思います。
それは「アルバイトをすることにより失業手当や受講給付金がどれくらい減額されるのか」ということです。
正直なところ、いくらもらえていくら減額されるみたいな金額的な話は、他に詳しい解説をされているサイト様がたくさんありますので、そちらにお任せします。
わたくしは「職業訓練中にアルバイトをすることによる金銭部分以外で及ぼす影響」を中心にお話しようと思います。
アルバイトしながら職業訓練に通ってる人はどれくらいいる?
わたくしの体感ですが、20人のクラスに1~3人くらいという感じです。
割合で言うと、多くて2割くらいということですね。
正直、人数的にはあんまりいないなーという感想です。
もちろんクラスによってはアルバイトしている人がゼロというところもあります。
扶養の関連で色々面倒だったりとか、訓練に集中したいだとか、履歴書の職歴がいたずらに増えてしまうから嫌、などと考える方が多いようです。
アルバイトしながら訓練に通うことは可能だが、働きすぎると退校
職業訓練は就職することが最優先であり、かつ大前提です。
そのため、働きすぎてしまうと就職とみなされ、退校をしなければいけません。
具体的によく言われているのは「雇用保険に入ってしまうとアウト」です。
雇用保険は、以下の2点を両方クリアした場合、会社側が加入させなければなりません。
雇用保険に加入できる条件
- 週20時間以上の労働をする
- 1か月以上継続して勤務する
なおこの場合、失業手当をもらいながら訓練に通っている方は、退校に加えて残りの失業手当がもらえなくもなります(一定条件下の場合を除く)。
1.の週20時間以上の労働を避けるには、週20時間にならないように働く必要がでてきます。
2.の1か月以上継続して勤務を避けるには、雇用期間の定めがないような仕事ではなくて、単発のアルバイトとかであれば問題ないということになります。
失業手当や職業訓練受講給付金をもらえる額を下げないようにするために
失業手当の場合
「失業手当申告書」と呼ばれる、アルバイトをしたかどうかを申告する用紙があります。
そこでは「4時間以上の労働をした日」と、「4時間未満ではあるが労働をした日(「内職または手伝いをした日」という表記になっています)」を申告するようになっています。
4時間以上の労働した日の分は失業手当がもらえず、その日の分は消滅します。
ただし訓練が終わってもお金がもらえる日数(所定給付日数)が残っている場合は、先送りになります。
また、4時間未満の労働の日は、額によっては減額されてしまいます。このあたりの詳しい話は別サイト様をご参考下さい。
またはハローワークにたずねるのも一つの方法です。
職業訓練受講給付金の場合
まずはそもそも職業訓練受講給付金は、どういう条件でもらえるのか?ということです。
職業訓練受講給付金をもらえる条件
- 本人の収入が月8万円以下
- 世帯全体の収入が月25万円以下
※月というのは9/4~10/3というような支給単位期間を指す
この2点をクリアした場合に給付金がもらえます。
ですので、この2点の額を超えてしまうと給付がもらえなくなるということです。
つまり、アルバイトをすることによって、給料日の時点で上記2点の額を超えないかどうかが焦点です。
例えば9/4~10/3が支給単位期間だとして、9月分の給料が10/15に支払われるとします。
この場合は、上記の支給単位期間での判定ではなく、給料日にあわせた10/4~11/3の支給単位期間内での判定になります。
内定先での研修等もアルバイトになる
職業訓練中に無事内定を得ることができた場合は、訓練が修了したら就業というパターンが多いです。
内定時期にもよりますが、職業訓練の期間中に研修や引き継ぎなどを行う会社もあります(この場合は会社に出向かなければなりませんので、訓練は欠席等になります)。
この研修や引き継ぎなども、例え賃金が発生していなくとも、アルバイトとして申告が必要となります。
失業手当の申告の場合にボランティアでも申告しなきゃいけない、というのと似ていますね(このことはどうやら「就活できる状態じゃなかった」という日を把握するために重要らしいです)。
会社側にしっかりと記録等が残っているため、無給の研修であろうが必ず申告しましょう。
訓練中のアルバイトのしすぎは出席率に絡んでくる
詳しくはこちらの出席率の記事にも書いておりますが、職業訓練は一定の出席率を確保しないと退校となります。
普通に通えば楽勝でクリアできる時間数ですが、インフルエンザなど体調悪化で休んだり、子どもの体調不良で看病のため欠席などで、まれに既定の出席率をクリアできない人もいらっしゃいます。
というように通常の状態でも出席率不足になる方もいらっしゃいます。
それに加えてアルバイト等で遅刻早退などをしてしまうと、出席率にカウントされていきますので、さらに退校に近づいてしまうということになります。
そのため、万が一アルバイトをするのなら、授業後や土日に行うようにした方が良いということです。
職業訓練に支障のない範囲でアルバイトをする
アルバイトが忙しくて訓練に支障が出るのであれば、まさに本末転倒です。
中には深夜のアルバイトなどで授業中に居眠りしている人も過去にいらっしゃいました。
何しに訓練に通っているのでしょうか、となりかねません。
また、職業訓練は意外と宿題が多く出たりもします。
アルバイトが忙しくて課題がこなせない、という方もみえます。
さらに意外と訓練内容が難しくて訓練とアルバイトが両立できない、なんて話もよく聞きます。
訓練で与えられたことをこなせないとか、授業がきちんと聞けないようならば、アルバイトなんてしていてはいけません。
訓練によっては定員オーバーするような人気のものもあります。
そのような定員超えの訓練にあなたが入校出来たのであれば、逆に言えば訓練に入れなかった人も一定数います。
他の人たちを蹴落としているということです。
もっと厳しいことを言えば、ひょっとしたら他人の人生を変えてしまっているかも知れないのに、訓練そっちのけでアルバイトに精を出すというのはいかがなものでしょうか。
訓練に支障が出るくらいバイトしないと困るような財政状態であれば、訓練なんて最初から申し込まずにさっさと働くべきだと考えます。
また宿題未提出や授業中の居眠りは、授業をしてくれる先生・講師に失礼と考えるべきでしょう。
訓練修了後、そのまま就職扱いになることも
訓練中にアルバイトをしており、訓練修了後に正社員として雇ってもらえるなど、スムーズに就職できるパターンがあります。
ちょっとしたコネみたいなものですね。
他にも、訓練後の就職報告で、訓練中にしていたアルバイト先をそのまま就職先としてしまう方法もあります。
この辺りは訓練校の担当者と要相談です。
終わりに
まとめますと、
- 訓練中にアルバイトをしても構わない
- 働きすぎる(雇用保険に入れてしまう)と退校
- 各種給付を支給されている人は、アルバイトにより減額されることもある
- 出席率や訓練内容の習得の面において、訓練に支障の無いように
ということです。
お金に困っているのであれば早急に働くべきですし、そうでないのならアルバイトなどはせずに訓練に集中した方が良いと思います。
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