職業訓練といえば、資格や知識・職業スキルを無料で習得し、就職につなげる場所です。
しかし現実問題、就職するためには資格や知識・職業スキルだけでは難しいです。
就職するには職業スキルに加え、社会人としての基本やビジネスマナー、そして人間としての基本的な立ち振る舞いも重要でしょう。
職業訓練は就職が最優先になっているので、「企業に採用してもらえそうな人物であるか」ということを推し量るため「社会人としての基本スキル」も見られています。
ではその基本スキルは職業訓練においてどんな感じで見られており、そしてどのように評価されているのでしょうか。
またそれら「社会人としての基本スキル」が高いと判断された方は、職業訓練においてどんなメリットがあるのかを見ていきます。
「勉強のでき」や「資格の取得」はあくまで評価の一部分
もちろん、新しい知識や資格を取得してもらい、就職につなげていただくことは大前提です。
しかし勉強ができるとか資格を無事に取っただけでは、実は訓練校側はあまり高い評価をしていません。
スムーズに「早期就職」をしていただくために必要なのは、じつは勉強や資格以外の部分だったりするものです。
その部分とは、上でも書きましたが、「社会人としての基本スキル」ということです。
訓練校側が見ている「社会人としての基本スキル」
受講態度はかなり見られている
前述のとおり、職業訓練の最優先事項は就職です。
そして職業訓練は、就職するまでの準備期間という位置づけです。
つまり言い換えると「会社に来ているのと一緒」ということなのです。
受講態度等に問題のある人は、きっと仕事してても同じような感じだよね、と思われるのが普通でしょう。
では果たしてそんな人が就職できると思うか?ということです。
だいたい自分が遭遇した問題のある受講態度は以下のとおりです。
- 「社会人」として問題では?
- 授業中によく居眠りしている人
- 授業中に講師の目を盗んで他の科目の宿題・勉強をしている
- 座り方が悪い(笑)
- その他、社会人として他人が不快に思ったり違和感を覚えるような言動
- 「人間」として問題では?
- 授業中にうるさい、大あくび
- 授業中に携帯をいじったり電話に出たりする
- テキストや問題に割とひどい難癖をつける
- その他、人間として他人が不快に思ったり違和感を覚えるような言動
いずれも仕事に置き換えると、一緒に働きたくないような人物像として浮かび上がってくるようなタイプばかりでしょう。
だからと言って訓練の受講を辞めさせられるか(退校)と言われるとそうではありませんが、目につくようですと注意や指導が入るかも知れません。
また訓練校側から良く思われないのも事実です。
これらを超えるようなもの(暴力行為、故意の器物破損など)は即時退校なのである意味問題ないというかなんというか(笑)
提出物など、期限を守るということも大事
職業訓練は宿題が出ることがあります。
他にも、欠席したら届などを出さなければいけません。
そのような提出物をきっちり期限までに出さないような人は、きっと仕事に就いても納期を守れないんだろうなと判断されてしまいます。
もしかしたらこのことが就職指導に影響をおよぼす可能性もあります(希望職種を諦めさせられるなど)。
また失業手当などにかかわる公的書類の提出が遅れれば、クラス全員に迷惑がかかってしまいます(最悪、給付の振り込みが遅くなるかも)。
このようなことが無いよう、訓練校側も書類を確実に回収するため奔走していることもあります。
単なる提出書類の期限だしちょっとくらいなら…というルーズな考えが、知らないところで色んな人に迷惑をかけているということです。
最低限、出された課題や必要な各種書類は期日までに提出することを心がけましょう。
そうでないとマークされてしまうかもしれません(笑)
権利を主張するだけして義務を果たさないのはダメ
職業訓練は無料なのでなんでもありとお考えの方がたまにいらっしゃいますが、大間違いです。
無料だからこそ守っていただくべきルールは多数存在します。
そもそもルールがなければ無法地帯でしょう。
そしてここぞとばかりに(?)権利を主張する方も多いです。
通学ルートが認められないのが納得いかないとか(決まりなので仕方ないのです)、欠席した時に「やむを得ない理由」にならないのは納得いかないとか(これも決まりなので仕方ないです)、そのほかにも施設内の改善などなど…
別に権利を主張するのは構いませんが、そういう方に限って義務を果たさないのです。
期間内に就職するという約束で入校していただいているのにもかかわらず、そういうそぶりが全くなかったり、訓練修了後に就職報告の書類を出してこなかったり…
で、あとあとさかのぼってみると、訓練中や訓練前に妙な権利を主張してきた人だった、というオチも珍しくありません(笑)
権利と義務はワンセットとお考えください。
就職意欲もかなり見られている
期限内に就職をしていただくのが職業訓練です。
上でも少し触れましたが、期限内に就職をしない人に限っていろいろと注文が多かったりするものです(苦笑)。
この「就職意欲」そのものも評価ポイントとして訓練校側が見ていることがあります。
結局、就職する気もないのに税金で訓練を受けるという点がまずいということですね。
どの辺りを見られて就職意欲を判断されているのかは以下の記事にて。
訓練校で受けられる検定試験は訓練校で取るべし
あなたが通っている訓練校が、検定試験の認定会場になっている場合があります。
その場合は他の試験会場ではなく、訓練校で受けた方が絶対に得です。
それどころか理由なく他の会場で受けると、協調性に欠けるという評価になり、訓練校側にあまりよく思われなくなる恐れがあります。
勝手に既定の試験日より一足先に、他校で試験を受けてくる人も同様です。
詳しくは以下の記事にて。
実際、職業訓練はいろんな人がいる
いろんな方がいらっしゃいますので、ネタのような本当の話も存在します。
受講態度が「悪い」の一言では片づけられないような、「悪い」以上の方々もいらっしゃいます。
以下の記事は、わたくしが訓練上で出会った方です。
いい人もいらっしゃいますが悪質なケースがほとんどです(笑)
こんな人たちもいるよってことで参考にしていただければと思います。
人間関係そのものについて書いた記事は以下になります。
受講態度に気を付けたほうがよい3つの理由
1.求人の紹介があるかも?
職業訓練校は、いろんな企業から求人の掲載をお願いされることがあります。
訓練学校できちんとした知識を得た人を優先的に採用したい、などと考えている企業があるということです。
ですから非公開求人ではなく、あくまでハローワーク等に出している求人を「おすすめして欲しい」と企業が訓練校にお願いしてくる、という形になります。
すると求人をいただいた訓練校側は、職業訓練生の中から条件に当てはまりそうな人を探し、その求人をおすすめしていくという形になります。
このように訓練校側が「とっておき」の求人を持っているとしたら、同じような条件や成績の人が複数いたとすると、やっぱり受講態度の良い人に優先的に求人を紹介したくなると思います。
上の方で検定試験を訓練校で受けた方が良いということをお話ししましたが、このことも同様です。
訓練校側も協調性に欠ける人を紹介したいとはあまり思わないでしょう。
2.訓練校が求人を出したい場合に声がかかるかも?
もしかしたら訓練校の従業員が退職して空きが出そうな場合、優先的に声をかけてもらえるかも知れません。
訓練校にそのまま就職するチャンスが来るかも、ということです。
外部から面接して採用するより、どのような人物かを訓練で見てきて問題なさそうな人を採るほうがリスクが低いですからね。
3.倍率の高い職種を希望している場合、職種の変更を迫られるかも
受講態度から就業態度を想像されるというのは上のほうでもお話しました。
たとえば事務職など人気のある仕事の職種の場合、単なるスキルなどだけではなく、受講態度=就業態度も大きな判断材料となります。
たまに面接上手な方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は受講態度が悪い方は面接でもボロが出たりするものです。
つまり、受講態度があまりよろしくない方は、人気職種には受かりっこないと判断されてしまいます。
そして訓練校の就職指導担当が、遠まわしに職種や雇用形態を変更したほうがよいとすすめてくるかも知れません。
「あなたは事務(あるいは正社員)に向いていない」と間接的に言われているということなのです。
つまりまとめると、紹介しても良いと思える人物、あるいは一緒に働きたいと思わせられるような人物であることが必要、ということです。
ここまでお話してきたような人ですと、「この人はちょっとね…」と思われてしまい、求人紹介等もされずスルーされてしまうことでしょう。
終わりに
まとめますと、
- 「社会人としての基本スキル」が高い方が就職に有利
- そのため受講態度、提出期限、就職意欲はかなり見られている
- 行いが良いと得するかもしれない3つのこと
- 求人の紹介があるかも
- 訓練校で雇ってもらえるかも
- 職種変更をすすめられるかも
ということです。
ある意味、訓練期間は面接されているのと同じと思ってください。
お行儀よく過ごしましょう(笑)
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