いろいろな人の履歴書や職務経歴書の添削をしていると、アルバイト歴の書き方がバラバラなことに気づかされます。
そもそもアルバイト歴を書かない人から、学生時代のアルバイトをしっかり書いてしまったり…さまざまです。
ここでは正しいアルバイト歴の書き方から、アピールにつながる書き方までを、さまざまなシチュエーションを交えてご紹介していきたいと思います。
一応「事務職転職お助けサイト」なので、事務職への就職を想定して記事を書いております。
ご了承ください。
アルバイト歴は履歴書に書くべき?
アルバイト歴を履歴書に書く必要があるかは、あなたの状況・境遇によります。
アルバイト歴を履歴書に書かないほうが良い場合
- 単発アルバイトなどをはじめ、アルバイト歴が短い場合(半年くらいが目安)
- 学生時代だけのアルバイト
アルバイト歴が多い方は、抜きすぎるとブランクとなってしまうこともありますので、後述のように記入したほうが良いこともあります。
もし面接でブランクに関して聞かれたら?
「短期間(具体的な期間も言えると望ましい)でしたので記入しておりませんでしたが、〇〇のアルバイトをしておりました」などと正直に話してしまいましょう。ただ一応経歴詐称に該当する恐れがあるため、あまりおすすめはしません。
不安なら最初から正直にすべて書いておくべきです。
※以前、勤めていた先に電話確認された企業があったという方がいらっしゃいました。ほかにも職歴の証拠となる書類を提出させる企業もあるようです。
また、墓穴を掘ってしまう可能性があるため短期アルバイトのことは自分からは言わずに、聞かれたら答えるくらいでよいでしょう。
なお、学生時代のみで完結したアルバイトは記入しないのが基本です。
逆に、書いたほうが良い場合
- 短いアルバイト歴でも応募職種に関連がある場合
- 書かないでいるとブランク(職歴がない期間)が目立ってしまう場合
- 職歴がアルバイトしかない場合
- 学生アルバイトからそのままフリーターとして継続勤務した場合
アルバイト歴を書いていくことにより、いたずらに職歴が増えてしまう場合は、アルバイト歴を省いてもいいかもしれません。
履歴書に書いた具合で決めましょう。
履歴書へのアルバイト歴の書き方
お店などであれば、経営母体の会社名に加え、具体的に働いていた店舗名を記入します。
なお、「就業」の部分は、「勤務」でも構いません。
職歴の記入に関して詳しいことは以下の記事にもございます。

なぜアルバイトだったのか?を明確に!
応募する雇用形態や職種にもよりますが、事務職への応募と考えると、やはりアルバイトのみの職歴であれば不利になることもあります。
まず事務職は応募する人が非常に多いため、選考の基準に”経験した雇用形態”が含まれることがあるためです。
よく「アルバイトであろうが問題なく、どんな経験したかが大事」などと言う方も多いですが、はっきり言ってポジティブすぎます(笑)
たとえばアルバイトしかない職歴の方が正社員に応募したら、ほぼ確実に以下のように突っ込まれます。
- 「なぜ正社員を選んだのか」
- 「なぜいままでアルバイトばかりだったのか」
このような質問にはきちんと答えられるように、対策を練っておく必要があります。
これに答えられないようでは、不採用は確実です。
答え方は以下のとおりです。
- 「資格取得のために〇年間勉強をしていたが、かなわなかった。勉強したことを活かした仕事がしたい。」※応募する会社でスキルアップしたい、などの自己啓発的な回答はNG
- 「若気の至りでだらだらと卒業後フリーターとして働いてきてしまったが、これではまずいと思いなおし、一念発起して正社員での就業を目指したいと思った。」
- 「学生時代の就職活動で、正社員での就業ができず、〇〇の勉強をしながら就活を続けていた。」
- 「〇〇になることが将来の夢だったため目指しており、時間的に融通が利くアルバイトと並行していたが夢が潰えたため就職をする。」※夢はあきらめ、仕事一本で集中してやっていくことを伝える必要がある
- 「より責任のある仕事がしたいと思うようになった。」
- 「子どもが高校生になったため正社員で働きたいと思った。」
- 「子どもが学校にあがるが、面倒を見てくれる存在ができたので正社員での就業を希望した。」
などです。
逆にうまく答えられたら採用率は高まるかと言われればそうでもなく、他の応募者と横一線に並ぶという程度です(主婦だった方は別です)。
まずはこれらを対策しておき、きちんと答えられることが前提で、他の部分でのアピールが活きてくるのです。
せっかくフォローしたいのに面接まで進めない…
この場合は書類に書いてしまうという方法があります。
ただ、履歴書はあまり余計なことを書かないのが鉄則です。
ですので、このようなときに役立つのが職務経歴書です。
職務経歴書は様式自由なので、中退や一身上の都合で退社が多い場合など、普段履歴書に書けないようなことを書けるといった、いわば「弱点フォロー」にも使える書類です。
ですから、書類選考で落ち続けてしまう人は、職務経歴書に「なぜアルバイトだったのか」を書いておきましょう。

この記事内でも説明しておりますが、職務経歴書という書類は、必ず提出しなければならない企業でない場合は、”出さなくてもいい”のではなく、”出してもいい”書類です。
ですから出してもマイナスポイントにはならず、むしろ出すことによりプラスになる可能性もあります(いらないと明確に言われた場合は別)。
アルバイトで培った能力をアピールすることも大事
よくアルバイト歴の長い方に多いのが「希望している職種に活かせるスキルなんてないよー」という嘆きです。
「だってしょせんバイトだし…」「単純作業ばっかりで大したことない」などと思わず、切り口を変えれば立派なアピールになります。
落ち続けてしまうと「やっぱ正社員の経験がないから厳しいよね…」と落ち込んでしまう人がいらっしゃいますが、それは間違っている部分もあります。
確かに正社員経験は、”責任・責務の大きさ”という意味でも、アルバイト歴のみの人よりも評価はされます。
しかしアルバイト歴のみの人も、応募先に役立ちそうな能力アピールが足りていないだけということが多いです。
上でも書きましたが、まずはアルバイトだった理由などをきちんと作っておくという前提で、あなたが持っているアピールできるスキルや能力を見つける必要があります。
そのためにはまず自己分析が必要となります。
まず、あなたが行ってきた作業などを、ひたすら書き出します。
続いて、その作業によって身に付けた能力や、もともと得意だったものを洗い出し、能力と結びつけます。
たとえばレジを打っていたということであれば、お金を間違えなかった→正確性の大切さを身に付けたな…という感じです。
接客業のアルバイト
- 正確性…レジ打ち、発注、在庫管理、売り上げ管理
- 対人能力…接客、販売促進、電話応対、新人教育
- 傾聴…接客、販売促進
- 指導力…新人教育
- 効率性、優先順位づけ…店舗運営、作業重複時の対処
- 目配り・気配り…店舗運営、接客
- 創意工夫…商品陳列、販促物作成、販売促進
- 表現力…商品陳列、販促物作成
と、接客のアルバイトというだけでもこんなに作業があり、これだけのアピール材料があります。
あとはこれらを、エピソード(実績)と組み合わせてアピールを作っていきます。
例えば上のレジ打ちの例でいくと、「特に正確性が養われ、レジ打ちをしていて定時のレジ合わせで一度もお金が合わなかったことがありません。この正確性を貴社(御社)での業務に活かし、事務処理に貢献できると思います。」などです。
この、「エピソードを入れる」ことは、転職活動において基本と言えます。
自己PRや志望動機などをはじめ、ありとあらゆるところで知っておかないとならない手段です。
以下にアピール関連の記事をまとめた「PR文章」カテゴリのリンクを貼っておきますので、ご興味のある方は一度ご覧ください。
参考 PR文章(カテゴリリンク)
アピールも職務経歴書の出番
履歴書はスペースが限られていますし、なによりあまりびっしり書いてしまうと、それだけで読みづらいと思われてしまい、人事の方に敬遠されてしまいます。
「なぜアルバイトだったのか」をフォローするために職務経歴書が役に立つと上で言いましたが、ここで登場するのは職務経歴書の本来の使い方です。
つまり「職歴のアピール」です。
様式が自由という点を最大限に活かし、職務経験や実績、そして退職理由などを書いておきましょう。
<職歴>
株式会社×× ショップ〇〇(アルバイト)
<職務内容>
〇×の発注業務、レジを含む接客、電話応対、納品および陳列、売上管理、新人教育
<実績>
・〇×の発注1に携わり、前年仕入れから地域の嗜好、気温や天候まで入念なデータを取り、廃棄を前年より10%以上削減した。
・お客様に寄り添う接客を心掛け、お客様からご指名いただくことも増え、会員獲得数の前年比を1.7倍にした。
<その他実績・評価>
・お客様に「あなたがいたから立ち寄った」などとお褒めいただき、固定客を獲得に貢献した。
・商品陳列において整頓を心掛け、店長よりお褒めいただいた。
・クレーム処理にて、ピンチはチャンスと考え、誠心誠意の謝罪を心掛けた結果、お店のファンになっていただいた。
<退職理由>
・親の介護につき、より収入が必要な状態となったことと、正社員としてより責任のある仕事に就きたいと考えるようになりました。しかしアルバイト先では登用制度がないとのことでしたので、やりがいはありましたがやむなく退職を決断いたしました。
目に見える実績は「実績」欄とし、目に見えない実績は「その他の評価」などの欄を作ってアピールしておくとよいでしょう。
またなんでもかんでも詰め込んでアピールしすぎると肝心なポイントがぼやけてしまうので、そこそこにとどめておくべきです。
またほかにも、特別目立った具体的なエピソードが見当たらないという場合は、持っている能力を<活かせる能力>として書いていく方法もあります。
<活かせる能力>
・接客経験から対人スキルを養い、思いやりの心で接することが可能です。
・レジ打ちの経験から正確性の重要さを身に付け、慎重に業務を行えます。
・パソコンにてPOP制作を行っていたため、この操作技術がお役に立つと思います。
職歴のみならず、自己PRや志望動機も大切な要素
自己PRは「仕事へのこだわり」を中心に書いていこう
自己PRのコツは、趣味や日頃心掛けていることを能力に結び付けるという作り方をしますが、アルバイト歴の長い方ですと「遊び気分が抜けきれてない」などと評価されてしまうおそれがあります。
ですから、仕事でのこだわりなどで作成してみるとよいでしょう。
前職ではメモをこまめに取ることにこだわりました。
結果、新しい作業やオペレーションを誰よりも早く覚えることができ、店長より評価いただきました。
またお客様の細かな情報を見逃さずメモを取っておくことで、次回来店時に「よく覚えてたね」と驚きと同時にお褒めいただき、思わぬ売り上げにつながったことも少なくありません。
このことを貴社での業務にも活かし、緻密な作業をしてまいりたいと思います。
自己PRの詳しいお話は以下の記事にもあります。


志望動機が圧倒的に書けない!
アルバイト歴の長い方が正社員に応募するときの傾向として、「志望動機が非常に弱い」ことが挙げられます。
理由としては「正社員での就活をまともにしたことがない」「正社員を選んだ第一の理由が生活の安定」ということが挙げられるでしょう。
そのため、うまく志望動機を作ることができず、やたら短い志望動機が出来上がったり、内容が「家から近いので」「社風に魅力を感じた」などというものになりがちです。
というか、作った志望動機が弱いことにそもそも気づいていない方が多いです。
採用の判断として覚えておいていただきたいのは、「会社があなたを雇う価値があると判断するかどうか」です。
それはつまり「会社があなたを雇って得をするかどうか」 につきます。
ですから、人事の方は単に志望動機に書かれている内容だけでははなく、基本的な文章力ややる気など、総合的に判断して価値を見つけていきます。
上のほうでもさんざん書きましたが、志望動機でも能力のアピールをしっかりしていけば、おのずと会社側も「雇ってみたい」と思うようになるでしょう。
有用な内容ばかりだと思いますので、ぜひとも以下のリンクより志望動機の記事を1つずつお読みいただければと思います。
参考 志望動機(カテゴリリンク)
終わりに
まとめますと、
- アルバイト歴はすべて書く必要はないこともある
- アルバイトであった理由を答えられることが大事
- 正社員に応募した理由も考えておく
- 職務経歴書を上手に使えばPRのみならず弱点カバーも可能
- 自己PRや志望動機もしっかり考える
ということです。
「アルバイト経験しかないから受からない…」と卑屈にならずに、しっかり前を向き、アピールをしていきましょう!
コメント