「事務職に就くために有利な資格があれば知りたい、取得したい」
「事務職で働くのなら持っていた方が良い資格や必要な資格は?」
こんな質問は後を絶ちませんが、そもそも資格を持っていると何故有利だと思ったのでしょう?
果たして本当に資格を取れば有利になるのでしょうか?
また、なぜ事務職に転職するのに資格取得が必要だと思ったのでしょうか?
当サイトでは事務職に転職するのなら取得しておいた方が良い資格等を別の記事にてお話しておりますが、それにはある前提がいくつもあります。
転職活動者が資格を取得する(した方が良いと思う)理由
まずあなたは、なぜ資格を取ろうと思いましたか?
不採用になった際にきっと面接を受けた際に相手企業に言われたか、ハローワークの紹介状あたりに書かれたことでしょう。
「経験・知識・技能の不足」と。
これに関しては別記事にてコラムのようなものを書いておりますのでご覧下さい。
他にもハローワーク担当者から言われたとか、同じように事務職で働いている友人知人からすすめられたとか、職業訓練にてすすめられたとか…色々あると思います。
他にも資格を取る動機は、応募したい企業や職種に該当する資格を持っていないとそもそも応募すらできない場合です。
この場合は「挑戦権を得る」ために資格を取るということになりますね。
まとめますと、就職(転職)活動において資格取得は以下の3パターンが考えられます。
- 他の人と差をつけるために資格を取得して就職活動を有利に進める
- 経験や知識不足、或いは職歴等、弱点をカバーするために資格を取得して不利にならないように進める
- 該当の資格を持っていないと企業に応募すらできないため取得して挑戦権を得る
その資格、本当に取得が必要ですか?
通勤範囲内にその資格を活かせる企業、いくつありますか?
既に事務系の資格をお持ちであれば全く関係ない話です。
以下は、これから取得を考えている方にお送りします。
正社員希望であれば、事務系の資格を取得する価値は基本的にはあると言えるでしょう。
パートタイマー希望でも必要に応じて取得すればよろしいかと思います。
ただし、これはあくまで「自分の通える範囲内にそれらの資格を応募条件としている(又は活かせる)企業がたくさんある」という大前提です。
特にパートタイマー希望の方はお子さんの関係や交通費の支払いも悪かったりするため、近所で勤めたいという方ばかりでしょう。
そんな自分が苦労して取った資格が活かせそう(あるいは必須)で、かつ通勤に便利(近所)な会社が果たしてどれだけありますか?
数が少ないのなら落ちることができないし、何より他の応募者も同じように「資格が活かせて近い会社」を希望しているかも知れませんよ?
それに加え、相手企業に断られるだけでなく、自分の方が条件不一致などでお断りするというケースもあり簡単に決まらないことも多いでしょう。
そうなるとまた数の極端に少ない中から選んでいかなければなりませんし、あるいは全くそのような企業が無いかも知れませんし、無いのなら求人が出るのを待つしかありません。
資格を取得しても、その資格を活かせるような企業が増え、しかも都合よく求人募集をし出すことはあり得ません。
つまり企業は増えません、ということです。
つまり、通える範囲内に応募できるような企業自体がないのであれば、資格を取る必要性は残念ながら見出せないということになります。
ですから、資格を取る前に、ご自身の周りにどれくらいの企業が求人を出しているか調べておくことをおすすめします。
ただし運転免許をお持ちでないのなら、特に地方では必須な会社が多いですので、結構高額ですが最優先で取得することをおすすめします。
過去わたくしが指導させていただいた方の中には、簿記やパソコンの資格を取得しても運転免許がなくて就職が決まらなかった、という方が結構いらっしゃいました。
そのような資格を取得したところで、今度は運転免許がなければ応募できない企業ばかりですと「宝の持ち腐れ」ということです。
こういった方ははっきり言って自己分析不足と調査不足でしょう。
就職に向けて家庭環境は整っていますか?
特に正社員希望の方にお話しておきたいのは、例え優れた資格を取得しても子どもがいるのでまともに働けないだとか、新婚さんのようにすぐに辞められてしまう可能性の高い方は、いくら資格を取っても無駄でしょう。
資格うんぬんの前に家庭環境の部分を重視して見られてしまうからです。
以下にそれぞれ既婚女性とお子さんのみえるかたの就職について書いた記事があるので、該当の方はご一読いただければと思います。
時間やお金や労力をかけて資格を取得しても…
何より資格を持っていなくともあっさり受かることもあるため、資格なんて意味なかったということもあります。
結局資格はパソコンや簿記などであれば、そこまで強力な武器になるわけでもないです。
あくまで「通行手形」であって、「黄門さまの印籠」ではありません。
資格によってはせいぜい少しばかり有利になるかも、というものも多いです。
つまり劇的に有利になったりどこにでも受かるということはありません。
資格がメインなのか再就職がメインなのかよくわからなくなっている人も見受けられますので、資格取得に向けて勉強中の方は、その資格が本当に必要なものなのかをしっかりと一度立ち止まって、そして振り返って、考えてみてください。
資格の属性を知る
それでも資格を取得しようという方は、資格の属性を知っておく必要があります。
上記でもお話しましたが、資格には3カテゴリにわけられます。
それは「有利になる」のか、「不利にならない」のか「必須」なのかです。
つまりマジョリティかマイノリティか、そしてマストなのか、ということです。
資格取得には時間も費用も労力もかかります。
自分の目標、希望からおろしていき、「何が足りなくて何を伸ばし、どこを埋めていくのか」を考えなければ全てが無駄に終わってしまいます。
「有利になる」資格と「不利にならない」資格
簿記や秘書検定あたりは取得している人がそこまで多くないため「有利になる」と考えて良いでしょう。
英語や中国語など、言語スキルも有利になることがあります。
そしてパソコン関連の資格や運転免許証などは取得している人が多かったり、企業側のニーズが極端に高いため、取得しておけば「不利にならない」と言うことができます。
簿記・パソコンに関しては詳しくは以下の別記事にて。
「必須」な資格
これは求人票の「必要な資格欄」の箇所に「○○(必須)」などと書いてあれば取得をしなければいけません。
何せ指定された取得をお持ちでないのなら、挑戦権がないということですから。
経理関係や税理士事務所・会計事務所であればパートでも簿記3級だとか2級だとかが必須になっていたりします。
貿易、外資系であれば英検やTOEICなどでしょう。
あとはパソコンの能力が初級程度だとかWord・Excelが使える方なんていう文言もありますね。
これは資格が必須とは言いませんが、「仕事レベルで使える」ことは必須です。
終わりに
まとめますと、
- 資格を取得する理由や効果は主に3つである
- 他人と差をつけるために取得する
- 弱点をカバーし、不利にならないように取得する
- 応募の挑戦権を得るために取得する
- 資格を取る前にやることがあるはず
- 近隣に働ける場所はあるか?
- 働ける家庭環境等は整っているか?
ということです。
特に職業訓練を受ける方に「資格さえ取れば何とかなりそう」という考えが非常に多い傾向です。
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