経験不足?建前に騙されるな!ハローワーク紹介状から見る企業のホンネ

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syoukaijou

ハローワークで求人を発見し、そのままハローワークを通して応募をすると必ず「紹介状」を職員から渡されます。

企業によっては応募の際にこの紹介状が必要だったりしますので、紹介状は一見すると重要な書類に見えます。

ですが本当に重要なのはそのような企業だけですし、何より紹介状なしで直接電話してから面接のアポを取り付け、内定までこぎつけた方もいらっしゃいます。

本当に重要な書類なのでしょうか…?

また紹介状に目を通すと、裏面は「選考結果通知」となっており、何やら不採用の理由を書き込めるようになっています。

この欄は果たしてどれくらい活用されているのでしょうか。

 

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三者の立場からみた紹介状のメリットは…?

三社と言うのは応募者(転職活動者)、ハローワーク、企業のことです。

まず紹介状の用途や流れを簡単に記しておきます。

応募者がハローワークから手渡された紹介状は応募書類に同封、あるいは面接の際に企業(面接官)に提出します。

その裏面は「選考結果通知」となっており、企業側がその応募者に対する評価(採用したかどうか、または不採用ならその理由)をそこに書きこみ、紹介状を発行したハローワークにFAXをするという仕組みになっています。

ハローワーク側は企業側からの評価が書きこまれたFAXから、「何人応募したか」「何人不採用になったか」「不採用になった理由は何か」などのデータを集計しています。

ハローワーク側のメリット

  • 追跡調査という意味を持つため大事な書類として認識されている
  • 採用者が出た場合は求人を取り下げたりする作業も必要(企業側の希望による)

応募者側のメリット

  • 紹介状が必須の企業に応募が出来るという点はメリットというよりは必須
  • 再就職手当がもらえる場合は紹介状は必須だが、ハローワークでの紹介等で入社すれば良いし他にもたくさん条件がありすべてクリアすることが必要
  • 募集を打ち切った求人が滞りなく取り下げられ、求職者に余計な手間を与えないというのは一応メリット(それでもタイムラグが大きいため、募集が終わってしまった求人に応募してしまったりするのは良くあることです)
  • 身元が比較的しっかりしているという印象を与えられる
  • 採用条件が大きく違うとハローワークに相談が出来るなど求職者が有利になるという意見もあるにはあるが、別に大したことはないしすぐに是正されるわけでもない

という感じで、上ふたつ以外はそこまで大したメリットではなかったりします。
何より採用率が上がるわけじゃないのが何とも言えません。

企業側のメリット

  • ハローワークを通して応募して欲しい(求人情報の事業者名をネットで見れない場合がこれに該当します)時に紹介状が必須であることがほとんど

しかもこの「紹介状が必須」なのは、”助成金を申請する際に必要”という理由です。
そしてあくまで必要なのは「紹介状そのもの」であり、面接者をどのように評価したかというチェック欄はさほど必要ではないのです。

ですが「紹介状に評価を書きこんでFAX」という作業をさぼると、ハローワークから企業に催促の電話があります。

助成金関係の理由以外、ほとんどの人事の方は「え?要るの?」って感じです。
いやほんとに。

 

では企業側の紹介状の扱いは…?

上記のとおり、企業側には紹介状のチェック欄は大して重要な書類と認識されていません。
ですが、FAXにて返信の必要があります。

内容としてはなぜ応募者を不採用にしたのか?という理由が選択式になっています。

選考の結果、会社側で採用しなかった場合の理由の選択肢は

  1. 業務内容があわない
  2. 技能・経験・知識の不足
  3. 賃金がおりあわない
  4. 始業・就業・残業時間があわない
  5. その他

の中から選択となります。

他にも本人が断っただとかの選択肢がありますが、これは特別問題ないので今回は割愛します。

問題は上記の中で「2 技能・経験・知識の不足」です。

不採用になった後日、この2番の理由で不採用になっていることをハローワークから教えてもらい、額面通り…言ってしまえば馬鹿正直に「わたしは経験やスキルが足りないんだ」「資格を取らなくちゃ!」と思ってしまっていませんか?

これは企業側の「体の良い断り文句」です。

先ほどから申し上げている通り、企業もこの紹介状をFAXすることを重要視していません。
利益になるようなことがないからです。

すなわち、適当に○をつけてFAXしている可能性が十二分にあるということです。

本当は履歴書が汚くて面接する気が失せたとか、服装が小汚いとか、面接態度が気に入らなかったとか、なんとなく会社の雰囲気に合わなさそうだとか、もっと致命的な不採用理由があるのにもかかわらず、です。

このような「本音」は応募者には言えないでしょう。
「5 その他」という欄があるのに使わないのです。
気分を害するなど、角が立つからです。
言い換えると「建前でお断りしている」ということです。

「とりあえず2番に○つけておきゃ無難だしいいでしょ」です。

実際、以前自分が働いていた会社でハローワークで求人を出したところ、20人以上の応募がありました。

で、その20枚以上の紹介状の山が採用担当の机の上にたまたま無造作に置いてあり、中身をぱらぱらっと拝見したのですが、採用者1名と相手から断ってきた1名を除き、その他すべての紹介状の「2 技能・経験・知識の不足」に○がついていました。

現実なんてこんなもんです。

 

怒ったりショックを受ける前に…ちょっと考えてみて

建前なんてひどい!と思われる方もいらっしゃると思います。

でも良く考えてみて下さい。
応募をする側のあなたも、同じように建前を並べて面接に臨んでいますよね?

退職理由を「給料安いから辞めました」と相手が気に入らなさそうなことは言わずに、「自分の視野を広げようと思って退職を決意しました」などと建前を並べているはずです(本来はこの理由もダメですけど)。

ですから実は応募者と採用側は一緒のことをやっている、と言えるわけです。

また逆に本音を言われたらそれはそれでショックを受けたり怒りがわいてくる方もいらっしゃると思いますが、逆にそういう本音を教えてくれる人事は親切だと思った方が良いでしょう。

なにせ、不採用の「本当の」理由を教えるという手間をかけたり怒りを買うメリットは企業側には全くと言っていいほどないのですから。

 

終わりに

まとめますと、

  • 紹介状はハローワークには大きなメリットがある
  • 応募者側も少々メリットがある
  • 企業側にはほとんどメリットはない
    • つまりいい加減・建前でお断りされている可能性が高い
  • 就職活動は建前同士のぶつけ合い、応募者側も建前を並べて面接に行く

ということです。

ですから、本当は能力や経験・知識不足以前の問題だったりする可能性もあるわけですから、即資格を取りに行ったりするのは考えモノというわけです。

実は履歴書の書き方ひとつ、面接の受け答えや身だしなみひとつで公正に評価されていたかも知れない、もしくは採用されていたかもしれないのですから。

そのため履歴書の書き方や面接の受け方など、就職活動のテクニックは非常に重要ということが言えますね。

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