よく「複数の企業へ同時に応募することは相手に失礼ではないのか」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
事務職は倍率が非常に高いため、複数応募をしていきたいところです。
実際、複数応募は本当に相手に失礼なんでしょうか。
また複数の企業に応募をしていると、同時に何社からも内定をもらうこともあります。
すごくゼイタクな話です(笑)が、働きたい会社以外は断る必要があります。
すなわち、内定の辞退です。
こちらの記事では、内定を辞退する方法も併せてご紹介します。
事務職の求人に1つずつ応募するデメリット5つ
まず、複数の企業に同時並行で応募をしていくことをおすすめします。
超ド本命でもない限りは1社だけに絞って応募していくと、以下のように様々なデメリットがあるからです。
1.就職活動は実は時間がかかる
たとえばどの応募経路でも結構ですが、「応募したい!」という求人を見つけてから実際にその求人の合否が出るまで、意外と日数を要しているのに気付いていない方が多すぎます。
まず求人票を発見して履歴書を送付するまで数日かかります。
すでに書き上げていてあとは志望動機の欄だけ埋めればよい、という状態ですと話は違ってきますが、大抵はまず求人を発見するのが先でしょう。
書きあげたら投函するわけですが、投函してすぐに相手に届くわけではありません。
最低1日、書類を投函した時間によっては配送時間が変わったりするため、2~3日の日数が必要な場合もあります。
こうして送った履歴書が相手企業に届き、ここで書類選考がはじまります。
この時点で不採用となってしまえば次に切り替えることになりますが、合格すれば面接試験の日程の連絡があります。
すぐに書類選考が終了すればよいのですが、そうでないこともあります。
また面接を受けた後も同様で、すぐに結果が出ればよいですが、1週間くらい要する場合も多いです。
これに加えて二次面接などがある場合は、さらに日数がかかることになります。
- 1応募したい求人を発見する(約1日)
- 2履歴書や応募書類をつくる(約1日)
- 3書類を送る(約3~7日)
- 4面接の連絡がくる(約1~3日)
- 5面接を受ける(約1~7日)
- 6合否
上記をご覧いただければわかるとおり、超最短で7日間(1週間)程度要することになります。
これは本当にすべてが最短日数で計算しているため、実際はこんなにうまくいきません。
中小企業ですと、採用の場合は最短でその日の夕方とか、意外と早く連絡が来たりすることがありますが…
大体ひとつの求人の決着がつくまで、平均2週間程度を要すると思っておくとよいでしょう。
このように客観的に見てみると、実際にアクションを起こしている時間よりも、待っている時間の方が圧倒的に多かったりします。
ですから決着がつくまで他の企業に手を出さない(何もしない)のは非常にもったいないですし、時間の使い方もまずいといえます。
人によっては金銭的な問題も発生してきますしね。
一発で内定が出ればいいですが、なかなかそんなに上手くいかないでしょう。
ですから就職活動の工程の中で空いている日を利用して同時に進めていくのが上手なやり方であり、早く内定・就職できるコツということなのです。
2.相手企業(面接官)の印象
これは面接の受け答えという点にも影響してきますが、仮に「他にどこか受けてますか?」というような質問をされた場合、どう答えるべきなのでしょう。
複数の企業を受けている場合、大抵の方は相手企業に失礼だと思ってしまい、つい「御社以外に受けておりません」などと答えてしまいます。
ですがもしこう答えてしまい、実際に内定が出て実は辞退するつもりだったとしたらすごく断りづらいですよね。
実際にそのような相談をされてきた方がいらっしゃったことがあります。
また近年では、面接官も複数の企業に応募しているのは当たり前だと認識しています。
そのため、「御社だけです」などと一途さをアピールしたつもりが逆に「視野が狭い」「複数のことをこなすのが苦手なタイプなのかも」と思われたりします。
ほかにも、すぐに受かるという気楽な気持ちで就職活動をしている、つまり「就職活動を甘く見ている」と思われたりします。
そのため、面接で「他に受けている会社はありますか?」などと聞かれた場合は、たとえ本当にその会社しか受けてなかったとか、あるいは他に受けている会社の方が優先度が高かったとしても「御社が第一志望です」と答えるのが一番無難ということです。
3.相手企業も応募者を選んでいる
こちらが会社を選ぶように、企業側も応募してきた人間を選んでいるわけです。
言ってしまえば同じことをしている者同士なので、全く臆する必要はありません。
逆に自分だけが真面目に一途を貫いていたということになりますね。
確かにそれはご立派だとは思いますが、相手はふるいにかけられているのを何とも思ってないということです。
何とも思ってないのならまだマシな方で、上述の通りに不利にすらなる恐れがあるわけです。
4・企業と触れ合い、”ずれ”が生じたらすぐ次に切り替えやすい
求人票と実際の条件が違ったり、会社の雰囲気をつかんだりするにはやはり実際に会社に行くこと、つまり面接を受けることです。
仮にあなたが吟味に吟味を重ねた求人にいざ面接に出向いた際に、会社側の提示してきた条件が求人票と違ったら、あっさりとお断りをしてしまいますよね?
他にも会社の雰囲気が悪かったり面接官の態度が悪かったりなどしても、同様に辞退をするかと思います。
このように自分の思惑と企業側の出方によって”ずれ”が生じた時に、他に同時並行で応募していなかったら…最初から就職活動をやり直しになってしまいます。
ストックとして他の会社に応募しておくと、面接に行った会社がダメでも次が残っているという、いわば”安心が買える”というわけです。
5.事務職は人気の仕事である
ハローワークの求人で特にありがちですが、「昨日見た求人が次の日にはなくなっている」なんてことは、事務職では珍しくありません。
そのため、「あれもいいしこれもいい」というように、良さ気な求人がいくつかあった場合、同時に応募をしておかないと後で後悔するハメになるかもしれません。
実際に「あれ、もうなくなってる!昨日見たときはまだあったのに…」と嘆いていた人をいっぱい見てきました。
目を付けた求人は、とりあえず応募しておくくらいの気持ちが大事かもしれません。
内定辞退の仕方
まず、内定を辞退するという時点で相手には良い印象を与えられないということです。
「立つ鳥跡を濁さず」はもちろん当たり前ですので、迷惑をかけないように辞退する必要はありますが、自分の印象を高める必要はないということです。
内定辞退を告げる
辞退の理由は特別述べる必要はありません。
「申し訳ありませんが今回は辞退させて下さい」程度でOKでしょう。
相手の返事も意外と淡白なもので、「あ、そうですかーわかりましたー」くらいで終わります。多分。
…終わるといいですね(笑)
どうしても理由を聞かれたら「他の会社にお世話になることになりました」か「家族との折り合いがつきませんでした」、あるいは「個人的なことなので申し上げられません」という感じで。
さらに向こうがしつこく食らいついてきたら、なんか裏があると思ってください。
なんでそんなに必死になって引き止めるんだろう?と考えましょう。
人が相当いなくて焦ってるのではないかと推測できます。
そこで「この会社入らなくて良かったー」と胸をなでおろしましょう(笑)
内定辞退のタイミング
応募者を内定した場合、特に事情がない限りは、企業は採用活動を打ち切ります。
ハローワークや求人サイトに出している求人を取り下げたりだとか、他の応募者に不採用の通知を出すだとか…
ですから、引き延ばせるのは1日程度と考えておくとよいです。
たまに企業から内定の連絡がきたときにカウンターパンチ的に辞退の意思を伝える方がいらっしゃいますが、やはり印象はかなり悪いです。
遅ければ遅いほど企業に迷惑をかけてしまいますので、例え結果待ちの状態であったとしてもこちらから断りを入れるくらいでなければなりません。
面接が気に入らなくてその場で辞退したい
実際にご相談いただいたケースをご紹介します。
たとえば圧迫面接を受けたりして気分が悪くなり、こんな会社内定もらっても入りたくないから面接を切り上げたい場合はどうしたらよいか、いっそのこと悪態のひとつもついていいのか(笑)、ということでした。
先ほど申し上げた通り、いくら腹立つ企業であろうが迷惑をかけてはいけませんし、もしその後に違う会社で内定をもらい入社した際に、その腹立つ企業が主要取引先だったら…?
悪態ついて逃げ帰ってきたなどしようものなら、気まずいことこの上なしでしょう。
さらに入社先との関係に影響が出てしまうかもしれません。
取引を打ち切りなんかされた場合に出る損害は、責任の負えないレベルになっていることでしょう。
ですから、いくら気に入らない面接をされたからと言っても、ぐっとこらえて大人の対応を心掛けなければいけませんね。
終わりに
まとめますと、
- 同時応募のメリットの方が実は大きく、1社ずつ応募は古い考え方
- 就活は時間がかかる
- 相手企業も同時応募は当然と思っており、単数応募は印象が悪い
- 吟味を重ねた企業の条件が合わなくても次に切り替えやすい
- 内定の辞退は理由は必要ない
- 理由を聞かれたら「他の会社にお世話になります」
- 面接の場で辞退するのは避ける
ということです。
人間として誠実さはもちろん大事な要素ですが、就職活動には大胆さやふてぶてしさも必要でしょう。
どんどん天秤にかけて、どんどん袖にしてあげましょう(笑)
でも一気に10社とか応募してしまうと、スケジュールの把握が困難になったり面接等がバッティングする恐れがあるので、どんなに多くても5社程度までにしておきましょう。
コメント