事務職にパソコンスキルは必須ですが、近年では事務職に限らず、どのような仕事であろうとパソコンを使用します。
パソコンを使うと言っても動画を見る、音楽を聴くなどではなく、メールやWord・Excelなどのビジネスソフトが扱えることが「パソコンを使える」ということです。
WordとExcelが使える人物を応募条件としている会社は多いですし、求職者の方々もそれは認識していることでしょうが、中には「ExcelさえできればWordは必要ない」とおっしゃる会社や求職者もいらっしゃいます。
果たしてその考えは正しいのでしょうか。
またなぜこのような考えに至るのでしょうか。
Excelが重宝され、Wordがあまり重要視されていないワケ
全国の企業の約9割はWord・Excelを使用して仕事をしているという統計が出ているため、この両ソフトのスキルが必然的に求められているはずですが、冒頭でも述べたように、Excelだけ使えればいいと思い込んでいる方が非常に多いのもまた事実です。
※ちなみに、一般的にどれくらい使えれば「パソコン(Word・Excel)が使える」と言えるのかは以下の記事をご覧ください。
Excelばかりが重宝され、Wordがあまり使われていないのは、ずばり以下のようなものでしょう。
- 日本人の感覚にあった作りではないのでとっつきにくい
- Excelがあまりに便利すぎるため、ワープロ替わりにExcelを使っている人が多い
日本人の感覚にあった作りではないとは
別の言い方をすれば「日本人向けに作られていない」ということなのですが、最もわかりやすいのが罫線の機能でしょう。
Wordは初心者がページにまたがる区切り線ような横線を1本引こうと思うと、機能の割と深めなところまで知っていないと引くことはできません。
基本的には「表作成のための線」という概念なため、罫線の機能を選択すると必ず四角を作らされます。
一方、かつて一世を風靡した「一太郎」というワープロソフトでは、開発元が日本の企業であるためか日本人にもとっつきやすいように作られており、線も1本だけ引くことが可能だったりしました。
他にも、Wordは文書の中の一番最後の改行マークより下にカーソルを置くことはできませんが、一太郎は自由にカーソルを置くことができました。
ワープロソフトはパソコン習熟においては基本だと認識をされていますが、その割にWordは上述のとおり「直感的に操作が出来ない」から敬遠されていることが多いのです。
Excelが便利すぎる
Excelはマス目状になっており、Wordと違い好きなマス(セル)をクリックすればきちんと反応するため自由度がありそうに見えるし、ある意味初心者の方にわかりやすいです。
そしてちょこっと勉強すれば、マス(セル)の中身の数字同士で計算してくれることを知り、それが非常に便利ということに気づくでしょう。
というように、とっつき易く非常に便利なので、ワープロ代わりにExcelを使う人が世の中に非常に多く、結果的に企業におけるExcelの使用率が相当高いです。
ですが、Excelはあくまで表計算ソフトなので、ワープロ代わりに使用することは本来間違った使い方なのです。
特にExcelで作成したものを印刷すると、よく文字が隠れてしまったり切れたりすることがあります。
結局Excelはワープロではないので、印刷機能はおまけと考えられています。
そのため印刷の精度が悪いのです。
Wordを正しく使える人が少ない
上記のとおり敬遠されるため、ちょっとかじってみた人が「使いにくい!」と思ってしまいExcelに逃げ、さらには「Wordが使いづらい」と言いふらしたりしているということになります。
いいふらすだけなら可愛いもんですが、これがそのまま会社での書類作りに反映されていきます。
具体的には上述のとおり、Wordで作った方が良い書類までExcelで作ってしまうということです。
そしてこのような方が日本全国に多すぎるため、結果「うちの会社はWordはほとんど使わない」という会社が後を絶たないわけです。
つまり、「Wordの使い方を知らない」と言うことができます。
また「今までの会社でWordを使ってなかったから覚える必要なんかない」などと声高らかに宣言しているような方もいらっしゃいます。
これはその人が過去勤めてきた会社で、残念ながらWordに長けている人がいなかったというだけの可能性も十分にあります。
まあ自分の中でそう思ってるだけならいいんですが、これからWord・Excelを覚えようというような周りの方々に「自分が必要なかったからWordなんて覚えなくていいよ」などと吹聴するのは止めていただきたいところですね(実際ちょくちょくいらっしゃいます)。
WordとExcelはセットと考えるべき
両方出来ないと上手く使えない機能がある
Excelに長けていてもWordが出来なければ、仮にWordがどうしても必要になった場合にまずいです。
特にExcelの表をWordにコピー貼り付けした際に、どうしてもWord側で加工が必要になりますので、Wordが使えないとアウトでしょう。
また、差し込み印刷という封筒などに宛名を印刷していく機能がありますが、Excelで住所録を作成しても印刷設定はWord側で行うため、Wordの操作を知っている必要があります。
というように、Excelだけでは行き詰まることがありますので、両方知っておくべきでしょう。
両方セットで評価している企業がある
求人票の応募条件のところに「Word・Excelが使える方」などと書いてある企業は、言い換えれば「うちは両方使えないと採用しない」と言われているのと一緒です。
Wordができなければそのような企業に応募ができなくなるため、企業選びの選択肢が狭まります。
業務改善が出来る可能性を秘めている
これは実際に入社した後の話ですが、ワープロ代わりにExcelを使っているような会社は、おそらくWordの使い方を知っている人がいないため、Wordを知っている自分が「この書類はWordで作った方が早いですよ」などと周りの人に教えて差し上げたり、Wordできちんとした文書を作るなど、業務改善がまだまだできると思っています。
発売されて何年もたつというのに…(笑)
終わりに
まとめますと、
- Excelは直感的に操作ができるが、Wordは直感的に操作が出来ずとっつきにくい
- Wordをきちんと使える人が少ないため、Excelが好まれる
- WordとExcelはセットで評価されるため、両方取得すべき
ということです。
何かとかわいそうな立場のWordですが、きちんと使えるとそれはもう就職活動も不利になることは少なく、何より入社後もひょっとしたらプラスアルファ的な要素になるかも知れません。
「Microsoft Office」という同じシリーズもののソフトですから、同時に使うことをメーカー側が推奨しているということも言えます。
PowerPointとAccessも同じシリーズですが、こちらは用途がかなり限定されていくため、必要に応じて覚えるというスタンスで良いでしょう。
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