シングルマザー(母子家庭)の方が転職活動をする際、離婚歴がついているということ自体が自信喪失の要素になったり、子供がいるんじゃあね…などと思ったりして不安になるみたいです。
そして休日や残業の観点から、事務職を選択する方は非常に多いです。
未経験であれば事務職はやはり不利ではありますが、家庭環境的にも不利だと思ってしまっている方が多いですが、実際そんなことはありません。
実にもったいないです。
※ただし、お子さんが就業に支障がないという方に限ります。
不利にならない理由とともに、活用できる制度も併せてご紹介。
実は転職の際に有利な場合もあるシングルマザー
シングルマザーの方は生活があるため、必死に仕事を探しますし、やる気もあります。
単なる精神論になってしまうかも知れませんが、それだけでも熱意として面接官に充分伝わります。
また企業側は、シングルマザーの方を採用すると助成金(「特定求職者雇用開発助成金」と呼びます)が発生する会社もあるため、採用に積極的になっているところもあります。
そういう企業であれば大チャンスですよね。
ただしシングルマザーでも自身の親と一緒に住んでいるなど生計を共にしている場合はシングルマザーとして見てくれないため、企業が雇っても助成金はおりません。
仕事を一生懸命やってくれそう
やはり生活がかかっているためか仕事に真摯に取り組んでくれるような気がします。
辞めたらやっていけないとお考えの方は大半でしょう。
つまり長く働いてくれそう!と思われているということです。
また、可能性は低いですが、子供を女手一つで養っていかなければならないということで同情してくれ採用に繋がることも…あるかも?
それらを踏まえると採用に有利になるかも知れません。
とにかく臆することは何もありません。
積極的に挑戦していきましょう。
ただしいずれも「お子さんを預けられる」ことが前提
実家にお子さんを預けられるとか、託児所に預けられるといった要素は必要不可欠です。
これらの環境が整っているのが前提です。
この辺りはシングルマザーに限らず、子育て中のお母さん方に共通していることでしょう。
シングルの方は、実家に帰られることも多いのでお子さんを預けられる環境が整いやすいということは言えると思います。
それでもお子さんに何かあった時に急きょ休んだり遅刻早退したり、学校行事で休みを取らなければならないケースもあるため、一筋縄ではいきません。
理解のある職場にあたるまで就活をする、というのが一般的ですが、そんな職場にあたるのはいつになることやらです。
そこで利用したいのが、以下にご紹介させていただいている「マザーズハローワーク」です。
子育て中のお母さんに優しいマザーズハローワーク
認知度が少ないのかご存じない方が多いですが、各都道府県には子育て中の方にスムーズな就業を支援している、マザーズハローワークと呼ばれる施設があります。
または、ハローワークの中でマザーズコーナーという、子育て中のお母さん方に対しての就業支援窓口を設けているところもあります。
求人情報の提供はもちろんのこと、キッズコーナーの設置など、子ども連れでも訪問しやすく、担当者制での職業相談や保育所等の情報提供などを行っています。
通常のハローワークに加えて、マザーズハローワークにも公開している求人もあるため、このような会社は、比較的子育て中の方に理解がある会社と言えるかも知れません (求人票に「マザーズにも公開中」など、その旨の記載があります)。
マザーズハローワークおよびマザーズコーナーに関して詳しくは以下をご覧ください。
外部リンク マザーズハローワーク・マザーズコーナー(厚生労働省HP)
面接では条件をきちんと伝えるのが重要
通常であれば、条件を色々付きつけるとまず不採用ですが、シングルマザーの方はどうしてもお子さんの関係上、働くにあたって条件を出さなければいけません。
お子さんが急に熱を出したら休まなければならないことは当然ですが、他にも長時間の残業ができないだとか、学校行事のあるところはお休みをいただくかも…ということなど。
ただしいずれも休めて当たり前というような態度ではなく、「極力仕事には出ます」という姿勢を見せなければいけません。
具体的には子どもの保護者会を学校側に頼んで夕方にしてもらって、15時くらいまでは働けるようにするなどの工夫が必要でしょう。
また離婚調停中の方は、もちろん調停が終わってから就活をするのが望ましいですが、経済的事情等でそうもいってられない方も多くいらっしゃいます。
そのような場合は、裁判所に出頭しなければいけなので休みが欲しい旨も伝えた方が良いでしょう。
どうしても就職が難しいのなら職種や雇用形態を変える
事務職でなければならない理由や正社員にこだわる理由をもう一度しっかり考え、それでもなお事務職あるいは正社員しか選択肢が考えられないということであれば全力を尽くします。
そうでないのなら、職種や雇用形態を変更した方が手っ取り早く就職できると思います。
特にヤクルトレディー(託児完備)や保険の営業(自由が利く)というような職種ですと、同じような境遇の方も多く色んな情報交換もできたりします。
また雇用形態の面では、パートタイマーの方が労働時間に融通が利きやすいため、子育てと両立がしやすくもなります。
長いこと家庭に入っていて働くのが久しぶりで自信が…という方は
職業訓練制度を利用してみる
就職が可能な環境であるということが前提ですが、職業訓練を受講してみてはいかがでしょう。
職業訓練を受講することにより、実践的な知識やスキル、資格を無料で取得でき、かつ就職担当のアドバイザーがおりますので、就業にあたっての不安点を親身になって一緒に解消してくれます。
さらに親と同居していない、金融資産が一定額未満という色々な制限もありますが、職業訓練受講給付金が月10万円+訓練施設に通う交通費が全額支給されます(2017.12月現在)。
また最近は託児所完備の訓練施設も増えています(なんと託児費用は無料!)ので、利用しない手はないでしょう。
職業訓練に関して詳しくは以下のカテゴリリンクからどうぞ。
他の職業訓練系のサイトより情報やウラ話等を多く載せているつもりです(笑)
自立支援教育訓練給付金を利用してみる
この「自立支援教育訓練給付金」は、資格スクールなどで使用ができる、シングルマザーの方が資格取得等の勉強をするときの受講料を補助してくれる制度になります。
各スクールで指定された講座を通い切ると、かかった講習代(費用)の6割(最大20万円)を負担してくれます。
こういった制度を使ってスキルや資格を取得し、就職の足掛かりにするのもひとつの方法です。
「求職活動関係役務利用費」で、就職活動中の託児費用が一部軽減される
履歴書、封筒、切手、写真、交通費、面接用のスーツなど…就職活動はこまごまとしたお金が必要になってきます。
また面接中は子どもを託児所に預けたり…といった費用も必要になる方もいらっしゃいます。
そのため、気づいたら家計を圧迫していた…なんてこともあるかも知れません。
そこで活用したいのが「求職活動関係役務利用費」です。
就職活動中に託児所を利用した場合に、一部の費用が戻ってきます。
つまりお子さんを預けた費用が返金されることがありますよ、という制度です。
就職活動は色々と費用がかかってしまうので、少しでもこういった補助制度でお金が戻ってくるのであれば、非常にありがたいですね。
なおこの「求職活動関係役務利用費」に関しては、以下の記事で詳しくご説明させていただいております。
是非ともご覧ください。

終わりに
まとめますと、
- お子さんを預けられるのが大前提ではあるが
- 助成金の関係で就職に有利かも知れない
- 仕事を一生懸命やってくれそう
- マザーズハローワークも活用する
- 面接の際は臆せず条件を伝えよう
- 職業訓練や給付金を活用しスキルアップするのも手
- 就活中の託児料の負担が軽減される可能性も
ということです。
基本的にはシングルであるかどうかは関係なく、子育て中の方と共通項も多かったりします。
ただ長く家庭に入っていたような方は、結構企業に冷たくあしらわれたりすることもあります。
他にもここまでお話してきたさまざまな理由もあり、やはり視野を広げ、雇用形態なども幅広く構えていくことをおすすめします。
最後に、「ちょいちょい休むけどその分仕事は一生懸命だし気が利くな…採って良かった」などと良い印象を持ってもらえるよう頑張りましょう。
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