ここでは、ズバリ事務職への転職の際の志望動機の書き方についてお話していきます。
が、志望動機を書く際に色々と注意点やコツ等がありますので合わせて見ていきましょう。
写した志望動機、人が作った志望動機は何故ダメなのか
まずはじめにお話しておきたいのは、パクリ・丸写しがダメと言われているのはなぜかということです。
1.ずばり、内容がかぶるため
よく「企業の人事がネットで見てるから」とか解説しているところもありますが、人事もそこまで暇ではありません(笑)
結局ネットなどから拾ってくることにより「同じ志望動機を書いてくる応募者が何人か出てくる」からです。
ということは結局何かを見て書いてきたんだな、とわかるということになります。
全て丸写しは論外ですが、ほんのごく一部を拝借程度なら問題ないと思います。
2.写した志望動機、すっと言えますか?
履歴書や職務経歴書に志望動機を記入していきますが、書いてあるから聞かれないことはありません。
むしろ書いてあるからこそ矛盾等がないか確認のため尋ねてくることもあります。
そうなった際に、惰性で丸写ししただけに近い志望動機を果たしてすんなりと言うことはできるでしょうか?
自分で1度も考えていないものは頭に入っていませんし、仮に覚えたとしてもそれは「覚えただけ」にすぎず、原稿を棒読みしたようなものになるため、強弱をつけて言うことはできないでしょう。
丹精込めて記入したオリジナルの志望動機の方が愛着もわくため、覚えやすくて言いやすいと思います。
また何より相手に伝わります。
3.その人の持つ雰囲気と異なる
これは面接に進むとわかってくることなのですが、人間には必ず「雰囲気」があります。
つまり「こういう雰囲気を持つ人はこういう言い回しをする」というようなことです。
逆に言うと「この雰囲気の人がこういうことは言わないよなぁ…」という捉えられ方もするということです。
丸写しの志望動機はその人の持つ雰囲気に反してしまう可能性があり、聞く方が違和感を覚えてしまいます。
4.粗悪品の志望動機がごろごろしている
ネット上には多くの就活応援サイトがあります。
「事務職 志望動機」といったワードで検索をかけると、志望動機のサンプルがごろごろ出てきます。
が、そのほとんどが粗悪品です。
「すぐ使える事務職の志望動機サンプル」などとうたっておりますが、上記1~2の理由と合わせて、実際は全く使い物になりません。
以下の記事に書いたようなNGワードが多数盛り込まれているからです。

粗悪品をパクって、しかも他の応募者とかぶるとか最悪です。
使用はやめましょう。
実際に事務職の志望動機を書いてみる
段階を踏んで説明していきたいと思います。
手順1.応募先を決める
当たり前ですが、応募先が決まらなければ志望動機は作成できません。
応募先が決まっていないのに志望動機が書けるという方は、おそらく100%使いまわしが可能な志望動機です。
その人にあった口説き文句(つまり、その会社にあった志望動機)を考えましょう。
そして会社分析をしておきましょう。
手順2.自分のキャリアの棚卸をする
自分がこれまでの職歴で、何を経験してどんなことを身に付けたのか?ということをしっかり振り返りましょう。
どのような些細なことでも構いません。
例えばコンビニでバイトしてました(何を経験して)
↓
レジ打ちで正確性を身に付けました(どんなことを身に付けたのか)
といった具合です。
これをキャリアの棚卸と言います。
志望動機を書く際に、このキャリアの棚卸ができていない方が圧倒的です。
自分がどんな経験をしてどんな能力があるのか、細かく把握するためにも一度しっかりと書き出してみると良いです。

恋愛もそうです。
自分のことを知らなければ相手のことなんかわかりっこありませんし、そもそも自分のことをロクに知らない人をどうして相手が好きになってくれるのでしょうか。
【前職】アパレル関係で接客
【職務内容】接客、電話応対、パソコンを使用したPOP作成と在庫管理、発注
【身に付けたこと】対人能力、目配り・気配り、WordやExcelのスキル、在庫管理や発注による正確性
手順3.志望する会社の仕事内容を確認する
前述2.でキャリアの棚卸をし、自分の能力や経験等が明確になった!と思ってやみくもに「この能力が活かせる」「あの経験が役立つ」などと訴えても「うちはそのような業務はありません」と言われてしまったら意味はありません。
ですから、その会社の業務内容を把握とまではいかないにしろ、簡単に知っておくことが必要です。
【会社名】ジムテン株式会社
【業種】自動車のネジを生産
【募集職種】一般事務(伝票整理、Excelでのデータ入力、Word・Excelによる資料作成、来客・電話応対、雑用掃除等)
例えば上記のような会社があったとします。
伝票整理と言われてもどのような伝票をどうするだとか、資料作成に至っては漠然としすぎてどのようなスキルが必要なのかは、パソコンが必要ということ以外はわかりません。
ですから、わかる範囲で2.で行ったキャリアの棚卸部分と結び付けてあげればよいのです。
実際に結び付けてみます。
2.キャリアの棚卸と、3.会社の仕事内容の結び付け
例えば一番上の「対人能力」は、志望先の仕事内容の中の「来客・電話応対」とつながります。
このように一番近いものを結び付けていけばいいわけです。
もちろん中には全然結びつかないものもあります。それは無理にくっつけなくとも、他の会社を志望する時に使えるかも知れないので今回は温めておくということになります。
この方法は、職歴が事務と全然関係なくて何も強みがないとお嘆きの方にも組み立てやすいところが利点です。
そして全ての要素を使う必要はありません。
自分の一押しのモノだけを文章としてアピールすれば良いでしょう。
今回は正確性とWord・Excelのスキルをアピールしてみます。
手順4.エピソードを混ぜてオリジナリティを持たせる
ここまでくればあとは文章にするだけなのですが、志望動機や自己PR作成に必要なのは、意外と文章力(国語力)だったりします。
その中で特に在庫管理や発注等に携わり、正確性を心がけて業務にあたってまいりました。
さらに店頭POP作成でWordを使用し、また在庫管理等でExcelを使用していたこともあり、これらのソフトのスキルも身に付けることができました。
このような経験が貴社での業務に活かせると思い、志望させていただきました。
さてこの文章、何か物足りないような気がしませんか?
正直に言いますと、この文章なら誰でも書けてしまいます。
何故ならこれは、「根拠や結果がない」からです。
例えば2行目の
>その中で特に在庫管理や発注等に携わり、正確性を心がけて業務にあたってまいりました。
正確性を心がけたのは大いに結構ですが、その結果はどうなったのでしょうか?
また4行目の
>これらのソフトのスキルも身に付けることができました。
本当に身に付いているのでしょうか?
つまり、根拠や結果が無いので、応募者の人物像を想像しにくいことと、オリジナリティが薄いということなのです。
ですからこの文章をもっと良いものにするには簡単な話で、根拠や結果を織り交ぜてあげれば良いのです。
2.のキャリアの棚卸の時点でついでにエピソードも洗い出しておくのが良いでしょう。
以下の例は2.のキャリアの棚卸と一緒なのですが、エピソードとなるものを赤字で追記しています。
【前職】アパレル関係で接客
【職務内容】接客、電話応対(お客さんと上司に褒められた)、パソコンを使用したPOP作成(キャンペーン販促商品の対目標が150%)と在庫管理、発注(一度もミスがなかった)
【身に付けたこと】対人能力、目配り・気配り、WordやExcelのスキル、在庫管理や発注による正確性
赤字のとおり、実績を挙げておきます。
この実績ですが、一応優先順位があります。
志望動機に組み込むエピソードの優先順位
- 表彰された
- 数字として残した
- 誰かに褒められた
例えば恋愛でも(またかよ)、「俺優しいよ!」と自薦するより、「こいつ優しいよ」と自分のことを他人が推薦してくれた方が評価が高いものです。
またはどこかで外食をしたいと思って色々店を調べていくうちに、実際足を運んでみたいと思うお店は良い口コミ(つまり他人の評価)が決め手になることも多くないですか?
そういう意味で表彰されたということは、他人の評価としては最上級だと思いますので、是非使うべきです。
- コスト削減の成果が認められ、部長賞をいただいた
- 前年比売上が全店トップだったため、社長賞をいただいた
そういったエピソードがない場合は、数字をあげたことを使うのが良いでしょう。
- コスト削減の成果として、○○部門の経費が前年比の50%減とすることができた
- 売上目標比の2倍を達成した
- 新規会員獲得コンテストで全国2位だった
- 部署内での発注・検品ミスをゼロにすることができた
また、数字をあげたりするような仕事ではなかったという場合は、他人に褒められたことや大事な仕事を任されたことなどを使用すると良いです。
- 電話応対の感じが良いと取引先より褒められた
- 上司からいつも仕事が丁寧で助かると言われ、○○に関わる大事な仕事を任された
- 正確かつ見やすい資料作成が評価され、毎回の会議の議事録及び資料作成の担当となった
手順5.文章にする
ここまでこれば、あとは文章にするだけです。
キャリアの棚卸をしたものが次の志望先にどう活かせるのか?ということを、エピソードを混ぜ込んで作り上げましょう。
なお、よくある「貴社の○○に魅かれ応募させていただきました」的な、”会社のどこが良くて応募したのか”というような文章は、どうせ相手をほめちぎるだけになりがちなので、事務職志望の場合はほぼ入れなくても良いと思います。
詳しくは以下をご覧いただければと思います。


なお、書けそうならばそれはそれでポイントアップに繋がると思いますので、是非とも書いてください。
ちなみにそれ系の文章の作り方は、既に解説されている他サイト様が大量にありますので、そちらにお任せします。
その中で特に在庫管理や発注等に携わり、正確性を心がけて業務にあたってまいりました。その結果、一度もミスがなく、滞りなく業務が進んでまいりました。
さらに店頭POPをWordで作成したところ、キャンペーン商品の目標に対して150%の売り上げを達成することができ、また在庫管理等でExcelを使用していたこともあり、これらのソフトのスキルも身に付けることができました。
このような経験が貴社での業務に活かせると思い、志望させていただきました。
エピソードを少しでも混ぜておくことで、人物像が想像しやすくなり、オリジナリティのある文章になります。
終わりに
まとめますと、
- 「自分の能力が次の会社でどう役立てられるのかを、エピソードを交えてアピールする」
- 「何故この会社にしたのか」というオンリーワン的な部分は事務職ではあまり考えなくとも良い
ということです。
志望動機は就職活動の核となり得る部分ですから、いい加減に書いては絶対にいけません。
しっかりと対策をして下さい。
そして何とか志望動機が形になった方は、その志望動機がさらに良くなるためのコツなどを記しておりますので、以下の記事を絶対に読むことをおすすめします。

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