「楽そうだから事務職を選びました!」という方はたくさんいらっしゃいますが、本当に事務職は楽なのでしょうか?
事務職経験者のほとんどは「そんなに楽じゃない」「事務を舐めるな」と言います。
甘い考えで事務職を選んでしまうと、あとで「こんなはずじゃなかった…」などと後悔する羽目になります。
この記事は事務職を希望している方を否定するような内容が多いですが、否定するつもりは毛頭ありません。
「こういう考えの方が多いから、きちんと対策を練って行けば他の応募者と差がつくよ」という、”事務職へ転職する際に必要な心構え”がこの記事で真にお伝えしたいことです。
事務職は本当に楽なの?
事務職は思っているほど楽ではないのが現状です。
そもそも楽ちんと考えている方は、以下のような考えの方が多いと思います。
- 営業のような人と真っ向から接するような仕事じゃないから
- 座ってられるし、あまり身体を動かさなくて良い
- 言われたことさえこなせば良い
- 残業が少ない
- 土日休み
など、挙げればもうちょっとあると思います。
人と真っ向から接する仕事じゃないというのは間違い
電話対応や来客応対など、人とのやり取りは多くあります。
そして何より事務所内の人間との関係調和、これが物凄く求められます。
はっきり言ってしまえば「女性」と上手くやっていけるかが重要と言えます。
しかも毎日ほぼ同じ人間と顔を合わせるわけですから、人間関係がこじれたら一貫の終わりと言えます。
座ってられる、確かにその通りだけど…
反対に肩こりや腰痛なども結構酷くなる方が多いです。
ひたすら書類整理や書類作成などの単純作業で1日が終わってしまうことも珍しくありません。
単純作業が結構苦痛な方もいらっしゃるのではないでしょうか。
言われたことさえやってればいいんでしょ?
言われたことだけこなしていくのでは、このさき職にあぶれた時に確実に困ります。
事務仕事というものが機械化され、どんどん減ってきています。
そのため、いろんなことを率先して取り組める人物の方が必要となるでしょう。
でも残業ないよね?!
会社によりますが、残業も結構あります。閑散期は残業もないでしょうが…
また同じ事務職でも一般事務・経理事務・総務事務など、違いがあり業務内容も当然違います。
そのため繁忙期なども違うというわけです。
さらに小さい会社ですとひとりの人が一般事務+経理事務を行うなど、色んな職種を兼務していることもあります。
事務だからといって残業が全くないというのは間違いと言っていいでしょう。
減点方式の職種なので評価されづらい
事務職は割と簡単な仕事を任されることが多いので出来て当たり前、ミスは怒られるという「減点方式」の職種です。
成果を挙げるような仕事でもないため評価されづらいです。
また、同じ社内ですら簡単そうだとか楽そうというイメージを持たれており、見下されていることもあります。
安定しているという一言はある意味便利な言葉
「安定している」とは何をもって安定していると言えるのでしょうか?
公務員以外はほとんどが一般の民間企業です。民間企業に安定などありません。
某有名自動車メーカーだって不正発覚で窮地に追い込まれたりしますしね。
安定というのは歩合ではないから?決まった時間で帰ることができるから?
いずれにせよ、応募者の自己都合によるところが多く、あいまいであると考えます。
暇な職場もあるけど逆に苦痛
もちろん本当に暇な職場も存在します。
しかしそれは逆にやることがなさすぎて「どうやって時間を潰そう」なんて考えるような職場でしょう(もちろん業務中に遊びや自己啓発に時間は使えない)。
まあその代わり、そのような職場は給料も推して知るべしじゃないですかね。
やることなさ過ぎて「来年から要らないよ」って言われるかも知れませんしね。
というわけで、事務職は決して楽な仕事ではありません。
もっと覚悟ややる気を持って臨む必要があります。
これらは主に一般事務向けで書きましたが、事務職にも種類が色々あります。
種類については詳しくは下記リンクをご参照ください。
また、何でもそうですが、向き不向きというものがあります。
それは事務という仕事においても同様です。
楽そうだからといって安易に選んでしまい、あとでやっぱり向いていなかった…と後悔する前に、事務に向いているのか不安な方は、以下の記事もご参照いただければと思います。
そもそも、あなたはなぜ事務職を選択しましたか?
事務職を志望する理由は色々あります。
経験していた、デスクワークが得意、家庭の事情…などなど。
ですがほとんどの方は上でも述べましたが、「座ってられるし楽そう」「土日休みだから」「残業がほとんどないから」「安定しているから」といった理由で選んでいます。
言い換えると、自身の持つ職業スキル等から考えて転職を希望している方はかなり少ないです。
もっとひどい人になると「なんとなく」という漠然とした理由であったりとか、他には「事務でもOK」というような、事務職を滑り止め感覚にしている方もいらっしゃいます。
このような動機では、後述しますが事務職は激戦区ですから、簡単に”お祈り”されて終わってしまうでしょう。
何人も撃沈している人を目撃しております…
「事務メインで他の職種もありかな」というように、事務を本線として就職活動を進めていかないと、事務職に就くことは難しいでしょう。
事務職の求人数
求人そのものが出るタイミング
そもそも「求人」自体はどのようなタイミングで出るのでしょう。
一般的に、企業側が「人が欲しい」から求人を出します。
では企業は何故「人が欲しい」のか?
それは「増員」か「補充」の2パターンです。
この2パターンのうち、事務職はどちらでしょう。
中途採用の企業はほとんどが中小企業です。
そしてそのような中小企業と呼ばれる規模の会社は、たくさんの事務員は必要ないところばかりです。
企業内で事務は1人、なんて会社も珍しくありません。
事務という仕事内容の性質上、忙しすぎるから人を増やすということはあまりあり得ません。
ということはつまり、事務職の求人が出るタイミングは「増員」ではなく、「補充」、つまり誰かが辞めた(or辞める予定がある)から求人を出すということになります。
極論ですが、全国で辞める人がいなければ事務職の求人は極端に少なくなると考えても良いでしょう。
事務職は狭き門である
上記のとおり、事務職の求人は、ただでさえ求人が出にくい「補充」目的です。
さらにそれに加え、上の方でも述べましたが、動機がやや不純(?)で気軽に応募する人が多いです。
そのため有効求人倍率(※以下Check参照)も0.3前後だったりするなど、狭き門になっているのが実情です。
1人あたり何枚の求人があるのかを出した数値のことです。
この数値が高ければ高いほど求人が多い、すなわち仕事に就きやすいということになります。
仮に事務職の有効求人倍率が0.5倍としますと、1人につき求人は0.5枚しかないという計算です。
なおこの数値は、毎月末に厚生労働省が発表しています。
参考 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00007.html(厚生労働省のHP「一般職業紹介状況です)
ちなみに他の一般職は、有効求人倍率が1を切ることはほとんどありません。
中には3倍や5倍なんていう、履歴書さえ書けば入れてしまうんじゃないかというくらい人手が足りない職種も数多く存在します。
というように事務職はかなりハードルが高いため、経験者でも簡単に不採用になってしまうことも珍しくありません。
事務職を甘く考えている応募者は就職対策も甘い
上述の通り、事務職は求人の数自体がそこまで多いわけではありません。
さらに甘い考えの方が多いことも手伝ってか、事務職の倍率は他の一般職の倍率よりもかなり上回っております。
つまり需要が多いのに供給が少ない、それが事務職です。
とにかく人気です。
あまり面接の対策をしなかったり、書類をいい加減に作って「何となく楽そうだし応募しとこっと」というスナック感覚で就職活動に臨んでいる方が多いのが現状です。
そして人気も高いので、人事側もしっかりと選別せざるを得ません。
そのため、「いい応募書類」を作ったり、「いい受け答え」をしたら一気に目立ち、受かりやすくなります。
ですから、しっかりと対策をして他の応募者を蹴散らして内定をつかむことが重要と言えます。
「対策」の中には「たくさん応募する」ということも含まれます。
「1~2社受けたら決まっちゃった!楽勝♪」なんて、ピンポイントで採用が決まるほど甘くはありません。
パート志望の方だともっと甘くなる
パートタイマーを希望している方はさらに考えが甘く、志望動機も1行程度しか書いてないだとか、私服で面接に行くだとか通常では考えられないことをしでかします(笑)
コンビニバイトならそれでもいいんですけどね…
そんなパートタイマー志望の方の心構えを別にまとめましたので、是非ご一読下さい。
ということで、手数を増やすためには求人サイトを活用しよう
ここまでお読みいただいて、事務職への転職の厳しさを感じ取っていただけたかと思います。
自己分析や会社分析、志望動機、面接対策などなど…やっておかないといけないことは非常に多いです。
そしてそれらができても、上のほうで書きましたが、事務職の求人はあまり多くありません。
すなわち肝心の「求人が無い!」という状態になりがちです。
これは応募の経路が少ない方がよくおっしゃられます。
ハローワークだけ…とか、せいぜい求人誌も見ている…くらいでは、難しい事務職への就職は夢物語になりかねません。
手数を増やすという意味で、転職サイトへの登録をおすすめしておきます。
特に事務職希望の女性に人気なのは「とらばーゆ」です。
女性の転職といえばこれ!というくらい有名なサイト。
事務職は女性が圧倒的多数。すなわち事務職も多数掲載されています。
こだわり検索が可能で、以下のように条件を細かく指定して検索できます。
「髪型自由」なんて条件があるのがまさに女性用のサイト!と感じました。
わたくしは事務系の職業訓練に深く携わっておりますが、職業訓練生も非常に多く使ってますし、おすすめもしております。
昔からずーっとある、まさに老舗と言える転職サイトですので、事務職の求人も豊富です。
これから事務職を目指していくあなたにとって最適なサイトです。ぜひとも登録しておきましょう。
このとらばーゆをはじめ、他にも事務職希望の女性におすすめできるサイトをまとめた記事もありますので、こちらもぜひご覧ください。
終わりに
今回の記事をおさらいしますと、
- 事務職は言うほど楽じゃない
- 事務職は求人そのものが少ない
- 加えて、動機がいまひとつで気軽に応募する人が多い
- そのため就活対策をまともにしている人が少なめ
- パート志望だとその傾向はもっと高まる
ということです。
就職活動は戦いです。
物騒な言い方になりますが、戦うためには武装が必要です。
戦場に丸裸で出向くのは自殺行為です。
ですが、多くの方は武装(対策)をせずに戦い(就活)に臨んでいます。
武装をしていない無防備な人間は簡単に負けてしまいます。
負ける側じゃなくて、武装をして倒す側に回りましょう!
コメント
事務職は楽で羨ましいです。
大変なポイントとして色々並べてますが、どの仕事も同じ苦労を抱えてます。
結局、早い時間に帰ってる人の割合が多い事務職は、楽です。