転職活動をしたことがあっても、ハローワーク(公共職業安定所)を「利用したことがない」人はみえますが、「知らない」人はいないでしょう。
むろん、職業を紹介してくれる、就職活動で一番よく使われる媒体です。
無料で利用できるため多くの方が利用されます。
ハローワークの職員さんの中には相談員という相談窓口の方がおり、その方が求職者と企業の橋渡し役になっています。
ハローワークに載っている求人で応募してみたいものがあれば、印字した後にその相談員の方に応募の意思を伝えると、企業に応募の許可をもらったり面接のアポイントを取ってくれます。
ハローワークは国の施設なので、この相談員さんが凄い人に見えがちですが、実は…という方もいらっしゃるのが現状です。
これらの方々について語ってみようと思います。
ハローワークの求人紹介における実情
ハローワークからの紹介は採用されやすい?
ハローワークは別名、「公共職業安定所」と呼ばれています(こっちのが正式名称ですが)。
公共なんて大層な名前がついてますから、きちんとしたプロの職業紹介担当者がいて、自分にあった仕事を紹介してくれてハローワーク経由で面接に行くと採用されやすい、というのは都市伝説の類か昭和の話です。
しかもハローワーク紹介状なんていう大層な書類まで持たせてくれます。
これが物凄く効果があって水戸黄門の印籠みたいに誰もがひれ伏す…なんてことはなく、正直な話、この紹介状は実はそこまで重要な書類ではなかったりします。
これについては詳しくは以下の記事で。
ハローワーク相談員の質にモノ申したい
リアルの仕事では都合上、ハローワーク職員様と密接な関係があるため叫べないので憂さ晴らしも兼ねて言わせていただきますと、ハローワークの相談員は嘱託職員(非正規雇用)が多いです。
正規相談員はほとんどいないというか、少なくとも窓口に出てきている職業相談員的な方は嘱託がほとんどです。
つまり職業相談員は素人に毛が生えたような、いや毛すら生えてないようなつるんつるんの人もいっぱいいます。
てゆーか、毎年1月~3月くらいになるとそこそこの待遇で職業相談員の求人出てますしね…
もちろん嘱託で。
コミュニケーション力があれば何とかなる的なノリで採用されていると思うのですが、親身になってくれない職員はまだしも(良くないけど)、嘘の情報を教える相談員が平気でいるというどうしようもない現実も確かに存在します。
最近あった例ですと、わたくしがリアルで指導している方がよく「ハローワークで○月に求人が良く出るから今は静観しておいた方がいいよ」と言われたということを耳にします。
それが3月とか7月とか12月とかならまだわかるのですが、5月とかお前それどこ情報やねん?!と思わず丁寧にツッコんでしまいます。
で、相談した方が実際5月になったら「全然求人ないし」とおっしゃっておられました。
5月はおそらく新入社員が辞めて補充のために求人が出ると期待しての情報提供だったと推測されますが、そんな会社はごくごくほんのわずか一握りです。
そんなレアケースをドヤ顔(実際ドヤってたかどうか知りませんけど)で教えられて待たされた求職者の方がかわいそうです。
こういった例や他にも挙げればキリがありません。
そのため、決してハローワークの職員の話は鵜呑みにしない方が良いでしょう。
他に相談できる方がいらっしゃる(例えばキャリアコンサルタントなど)のなら両方活用してください。
一方だけの情報は危険すぎます。
良さげな相談員を次から指名する(担当制)
何も手を打たずに普通にハローワーク窓口で求職相談に行くと、時間短縮のため、手の空いている相談員から順番に窓口にやってきます。
このときに相談してみて良さ気だなと思った相談員の方を、次から担当として指名するという手もあります(できるかどうかは地方によるかも知れませんが)。
毎回指名して紹介担当の方と仲良くなることにより、以下のように数多くのメリットがあります。
- 就職市場を教えてくれる
- いい求人を優先的に紹介してもらえる(電話がかかってくるかも)
- 紹介の際、企業に積極的に売り込んでくれることも
- 応募したい求人に現在何人応募して何人落ちて結果待ちが何人か、またそれらの方がどんな属性(年齢や性別など)の方か教えてくれることもある
- 応募したい求人がどれくらいの頻度で出ているのか、怪しいかどうか、採用基準は厳しそうかなどざっくりと教えてくれる
- 毎回、身の上話をしなくて良い
というように、メリットが盛りだくさんなので、上手に活用しましょう。
自分が面接で聞きづらいことをハローワーク職員に聞いてもらう
面接試験ではこちらからも質問をすることを推奨されています。
しかし、直接面接の場では聞きづらい質問も数多くあります。
- 未経験だけど本当に大丈夫なのか
- 応募に必要な資格を取得はしてないが勉強中なので応募ができるのか
- あとは学歴や職歴が満たされていないが応募は可能なのか
- もっと本音寄りだと休日や給料、残業など
このような疑問は、最初のアポ取り付けの際にハローワーク紹介担当に聞いてもらえばいいのです。
どうせ初期の初期という段階なので、企業側も誰が聞いてきたか覚えちゃいないです(笑)
ですから全然問題ありません。
むしろ、最初のアポイントの電話は、聞きづらい質問を消化できる数少ないチャンスだと思ってください。
希望職種の求人をなかなか紹介してくれない
せっかく応募する気になって求人をプリントアウトして紹介担当に持っていっても、なんだかんだ理由をつけられて応募させてくれない、紹介してくれないという経験をお持ちの方もいらっしゃいます。
これは暗に「あなたにその職種は向いていない」と言われていると思ってください。
質はどうあれ、ハローワークの紹介担当は離職者を就職をさせてあげなければいけません。
色んな求人を紹介しまくった挙句全部落ちたりしたら、その求職者は担当を変えたりするかもしれないなど、信用問題にもなったりします(まあそこまで考えてない職員も多いと思いますけど)。
やたら紹介を渋られることが続いたら、もしかしたら自分に向いてないのかな…と考えることも必要でしょう。
求人の質はどうなのか
正直、求人を出す方(企業側のことです)は無料で出せますから、企業の質はピンからキリまであります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
終わりに
まとめますと、
- 相談員の質は差が激しい
- 良さそうな人は次から指名して担当にするのがおすすめ
- 面接で聞きづらいことは相談員に聞いてもらう
- 求人紹介の方向性が違う場合はその仕事が向いてないのかも
ということです。
ハローワークは上手に使えば早めに就職が決まりやすいですが、やみくもに通えばよいというものでもありません。
色々な媒体はありますが、ネットや新聞広告・求人雑誌などは最初の応募書類郵送の許可を得る所から自分でやらなければいけないです。
そのため派遣を除き、唯一楽にコトが進んでいけるのがハローワーク紹介です。
これを活用しない手はないでしょう。
ただ上の方でも書いた通り、職員の質は非常に多彩ですので、最初は何度か通って質を見極める作業からはじめていかなければなりませんね。
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