その選択、ほんとに大丈夫?事務系の派遣社員を選ぶデメリット11個

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派遣社員と聞くと、あまりいいイメージを抱かない人もいらっしゃるとは思います。

このサイトでは、派遣という雇用形態のメリットを以下の記事にしております。

事務職未経験から経験者へ!派遣は事務未経験でも就職しやすい!
未経験で事務職に採用されるには並大抵ではありません。 この記事では、未経験者が経験を積むために、「派遣で働く」という選択肢を提示させていただいております。 あなたは、派遣で働くということを考えたことがありますか? 経験...

派遣は正しく使えばそれなりに有効です。
事務職の案件も多いです。
そして家庭環境などの都合で、派遣しか選択肢がないという方もいらっしゃいます。

しかしいろいろな選択ができる方が派遣を選ぶのは…果たしてどうなんでしょうか。

上の記事では派遣という雇用形態を選ぶデメリットにも触れてはいますが、今回の記事ではそのデメリットを、特に事務職を希望している方に向け、とことん掘り下げてみたいと思います。

 

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事務系に行きたい方が派遣を選ぶデメリット11個

1.何かあった時に真っ先に切られる

事務職に限ったことではないですが、おそらく一番広く知られているデメリットではないかと思います。

特にいつぞやのリーマンショックの際は、俗に言う「派遣切り」や、契約更新をされなかった方が非常に多くいらっしゃいました。
わたくしは職業訓練に携わっておりますが、リーマンの時は定員が30名に対し応募が120名くらいといった、考えられないくらいの倍率でした。
面接試験で話を聞くとほとんど派遣で…という方ばかりでした。

会社の業績が悪化してきたら真っ先にコストカットされるのが派遣社員でしょう。

 

2.3年で期間満了のため、長く働けない(直接雇用なんて夢物語)

派遣で次に思いつくデメリットがこれではないでしょうか。

派遣社員としては3年までしか同一の職場に居ることはできません。

2019年5月現在では、3年間、派遣社員として同一の事業所で働いた場合、

  1. 派遣会社が無期雇用にする(無期雇用派遣)
  2. 派遣先が直接雇用する
  3. 派遣先を変えられる

上記3つのいずれかの措置が取られます。

事務職で「2 派遣先が直接雇用する」はほぼないといっても良いでしょう。
事務職は空きがなければ雇えないポジションですので、3年たったからといってホイホイ直接雇用にするわけにはいきません。

残念ながら3の「派遣先を変えられる」か、3年経つ前に期間満了にさせられるパターンが多いです。

そして1の「無期雇用派遣」は、ぐっとハードルがあがり、年齢制限も厳しく、選考もきちんとしているようです。

無期雇用派遣については以下のサイト様が詳しく書かれております。
デメリットの部分は必見です。

外部リンク 【無期雇用派遣】実は危険な働き方…メリット・デメリットを解説(派遣ガールズ 様)

あともうひとつ。
「紹介予定派遣」(半年など、比較的短い期間を働いたら直接雇用にしてもらえる)でも同じことが言えます。
事務系で紹介予定派遣により正社員・直接雇用になった方はわずか数%という統計が出ています。

ということで、無期雇用や紹介予定派遣などは事務職ではほぼ不可能とみて良いでしょう。

繰り返しますが、事務職は空きがなければ雇われないのです(利益を生まないため)。

逆に言えばこんなメリット
働く期間が決まっているため、例えば〇年後に旦那の転勤が決まっているので辞めなくちゃいけない…といったように、一定期間しか働けない人にはメリットでしょう。
例を挙げると以下のような方です。
・旦那さんの転勤がほぼ決まったスパンである
・妊娠の予定がある
・子どもが学校にあがるまでのつなぎ
・元々無期雇用に魅力を感じない、無期雇用で働く必要性がない
一応「派遣社員のスキルアップの機会や自由を奪ってしまうため、最長3年の期間になっている」ということなのですが、建前にしか聞こえない…

 

3.事務系であれば3か月更新がほとんど

製造などは半年更新や1年更新などを割と見かけますが、事務系はその職務の性質上、ほとんどが3か月更新の契約となります。

3か月更新の場合は、言い換えると年4回、会社はあなたの首を切るチャンスを持っているということになります。
よく「原則更新」などと言われ、「更新してくれるのなら安心」と思う方も多いですが、原則更新ならばなぜ無期雇用にしないのか?と疑問に持つべきです。
完全に足元を見られていると言っても良いでしょう。

常に切られてしまう可能性を考慮しながら働くのは、なかなか精神的にきついものがあるのではないでしょうか。

逆に言えばこんなメリット
・契約を更新しないという手もあるため、辞めたい時に辞めやすい

 

4.大企業に行けるチャンスもあるが、総じてあまり経験として評価してもらえない

比較的簡単に目指している仕事(事務職)に就くことができるため、とりあえず派遣で経験を積んで、期間満了になったら次は直接雇用に…と考えている方は多いです。

しかし企業の評価は「しょせんは派遣」です。
こう考えているところは多いです。

派遣社員は業務の範囲がしっかりと決まっているためです。
特に昨今は中小企業も多く、そのような会社は「柔軟性」を持っている人材を重宝するところも多いです。

そのため、機械的に業務の範囲をこなすことだけが求められる派遣という形で働いても評価されず、「いたずらに職歴が増えただけ」(次頁)ということになりかねません。

また大企業で働くことも可能なため、ハクがつくとおっしゃる方も見えますが、上に書いた通り「しょせんは派遣」ですので、大したハクにはなりません。

経験のためと割り切るのはあまりおすすめできません。

逆に言えばこんなメリット
・事務が初めての方は、事務という仕事がどんなものか知ることができる
・大企業の雰囲気を味わえ、仕事の流れを知ることができる
・下手に責任を負わされたくない人や淡々と業務をこなしたいだけの人には確実にメリット

 

5.職歴が増え、直接雇用で働きたくなった時に大変

これ、あまり考えない人が多いみたいですが、結構やっかいだと思うんです。

上でも書きましたが、経験としてみなされなかったとすると、派遣で働いてきた数だけ職歴が増えることになります。

それは履歴書の職歴欄を圧迫してくるのです。

そうすると、後々「派遣をやめて正社員(直接雇用)で働きたい!」と思って転職活動をするときに「書くの面倒」となり、就活のモチベーションが下がります。

そしてきちんと履歴書に書いたとしても、今度は面接でそれを突っ込まれたりする場合も増えてきます。
なんで派遣ばっかりなの?と。

とにかく直接雇用へ転換したい方は、派遣の職歴が足かせになることもあると覚えておきましょう。

逆に言えばこんなメリット
・直接雇用で働くつもりが今後ない場合は全く気にしなくて良い

 

6.就職活動のスキルがつかないため、直接雇用で働きたくなった時に大変

正社員や契約社員、パートなどの直接雇用は、厳しい書類選考と面接試験があります。

しかし派遣社員の場合は、まず書類選考はほぼないと言っても良いです。

社内選考として、派遣会社内で推薦できそうな人を選んだり、または派遣先の方があなたを含めた派遣社員候補のなかから会ってみたい人を選んだりすることはあります。

直接雇用の書類選考よりぐっとハードルは下がりますし、もしダメだった場合にもすぐに次の案件を紹介してくれることがほとんどです。

次に面接ですが、派遣コーディネーターと呼ばれる、派遣会社の方が仲介人として間に入ってくれます。

そのため、派遣社員の面接は派遣先の方と、派遣コーディネーターと、あなたの3人で行うことになります。
派遣コーディネーターはなんとか契約にこぎつけたいため、一生懸命あなたをアピールしてくれることでしょう。

ひとりで面接に臨むよりもぐっと楽ですね。

ほかにも、ほぼ採用が約束されているような、顔合わせ的な場合もあります。

ということでメリットばかりを並べましたが、逆に言えば「直接雇用で働きたくなった時に就職活動のしかたが全くわからない」ということになります。

過去、「新卒からずっと派遣で働いてきて、そろそろ定職に就きたいんだけどやり方が全くわからない」というご相談をいただいた方がいらっしゃいました。
確かにその方が書いた履歴書を添削させていただきましたが、なかなかまずい感じのものでした。
他にもちょっと普通ではありえないようなお考えを持っていたりなど、一般的な就活とはかなりズレている感じがしました。

この方には色々とお話させていただき、ご本人もいくつか書類を送ったりしたのですが、直接雇用で採用されない&不安がぬぐえなくて最終的にまた派遣を選択してしまいました。

そうこうしているうちに(上でも書きましたが)派遣の職歴がまたひとつ増え、結局派遣から抜け出せない…という派遣スパイラルになってしまいます。

いずれ直接雇用を…とお考えの方にはあまりおすすめできないと言えます。

逆に言えばこんなメリット
・就職活動が楽ちん
・直接雇用で働くつもりが今後ない場合は全く気にしなくて良い

 

7.給料(時給)は高いが、賞与や交通費がない

事務職は賃金が低めなことが多いです。
だいたいパート・アルバイトですと、時給900円程度だったりします(地域によります)。
しかし派遣ですと1,400円とか通常ではありえないくらいの時給が設定されていたりします。

さすがに正社員には劣りますが、パートであれば派遣のほうがよっぽど高い時給であることが大半です。

これだけを見れば時給が高くておいしいと思えますが、派遣社員には昇給はありません。

後述しますが、派遣社員は期間も短く、かつ責任があまり重くない仕事であることが多いからです。

また時給のみならず月の給与を考えてみても、残業がほとんどないため、正社員等より安くなってしまいます。

残業がほぼ無いのが派遣の魅力ですが、いざ仕事に就いたら残業をさせられるケースも少なくありません。

そして何よりもボーナスや交通費がもらえません。

これが賃金的に一番のデメリットではないでしょうか。

中には年収として考えたら、派遣社員は時給が高いからもらえる金額は正社員とあまり変わらない、という方もいらっしゃいますが、おそらくきちんと計算すれば全然違います。

ほかにも、結構いろんなところで「ボーナスなくても金額はどっこいどっこい、あまり気にしなくてよい」なんて意見を見ますが、やっぱりボーナスがあるのは精神的な面でも全然違うと思います。

確かに金額的には違いがないかもしれません。しかしボーナスをもらえるというだけでも心の余裕が生まれたりします。バカみたいな話ですが意外とこういう方、いらっしゃいます。

逆に言えばこんなメリット
・昇給を考えなくても良いから辞めやすい
・残業がほぼない(と思う)ので、ワークライフバランスを考えやすい
・パートみたいな働き方が希望ならば派遣のほうが良い

 

8.給与等以外でも格差を目の当たりにするかも

上で給与や交通費、賞与(ボーナス)のことを書きましたが、他のことでも派遣と正社員(直接雇用)で差をつけられてしまうことがあります。

たとえば派遣社員は食堂が使えないなど、会社(派遣先)内の施設の利用を一部制限されたりするといった具合です。

気にならない人は全く問題ないとは思いますが、いい気分はしないという人は多いはず。

ほかにも多分ネタだと思いますが、派遣社員は備え付けの防災グッズを使えない会社があるとかなんとか…(笑)

そのせいかどうかわかりませんが、直接雇用の方からいじめられたり酷い扱いを受けるなど、立場的にどうしても下に見られてしまうこともあります。

たとえば仕事を教えてもらえない、風あたりがきつい、疎外感がある、違う派遣会社から来ている人と待遇の差を聞かされ揉めたりする(派遣会社によって待遇が違うため)、昼休憩や終業時間後の付き合い方に悩む、などが挙げられます。

派遣はうっとうしい人間関係から解放される、なんて考える人もいらっしゃいますが、とんでもないです。
人間関係に悩んでいる方は多いです。

派遣社員の人間関係に関しては、以下のサイト様のようなアンケート結果も出ております。
ご参考までに。

外部リンク はたらこねっと(派遣先の人間関係について)

 

9.誰でもできる仕事であり、責任の大きい仕事ではない

上のほうでも書きましたが、派遣社員は性質上、責任の大きな仕事を任されることはありません。
そして、ある程度なら誰でもできる仕事を回されます。

また、仕事の範囲も限定されており、与えられた仕事をこなすだけという毎日になりがちです。

そのためやりがいを求めるような方には合わないと言えます。
昇給もないですからね。

「業務範囲内の仕事がやれれば問題ない」のが良くて派遣を選んだのに、範囲外の仕事を任されてしまうケースもあります。
逆に言えばこんなメリット
・単純な仕事やルーチンに沿った仕事を好む方には都合が良い
・責任を負わされず気楽に仕事ができる
・与えられた範囲の仕事を淡々とこなしていれば良い(例外有)

 

10.年齢を重ねてもできる仕事ではない

特殊なスキルがあり、また特殊な仕事に就くのであれば話は別ですが、一般事務のような仕事であれば、派遣会社もやはり年齢の若い方を紹介したいでしょうし、派遣先もそう思うはずです。

「年齢を重ねたらもう働きません」という方は問題ないですが、60歳まで仕事がしたいという方には、これはかなり厳しいものになると思います。

派遣会社も取り合ってくれないとなった場合、直接雇用を目指すことになるかと思います。
そのさいに就職活動のやり方を知らない…となった場合、確実に路頭に迷うことでしょう。

これまでの積み重ねが50代以降になったときにはっきりと表れてしまいます。
そこまでにどんな経験をしてどのようなスキルを身に付けてきたか?が若い方よりも重要になることでしょう。

 

11.(公共職業訓練生向け)派遣は就職として認められないケースも

公共職業訓練は、国や県の制度として、早期の就職を目指すために、無料でスキルや技術・資格を身に付けていただくものです。
なお、学校側にかかる費用は、税金や労働者の雇用保険から出ています。

というように、公的な制度であるため、「働き方改革」の内容が盛り込まれており、安定した雇用に就いていただくことが条件となっております。
例えば単発のアルバイト、雇用期間の短い仕事、勤務時間の極端に少ない仕事などは就職としてみなされません。

これは派遣の「3か月更新の雇用」も同様で、このように更新が細かく刻まれるものは、安定性の面から「就職した」と言えないということです。

特に事務系の派遣は必然的に3か月更新のものが多いため、学校側からしたら派遣はできれば選ばないでほしい…ということになります。

このことは都道府県により違いがある場合があります。必ず訓練校の担当に確認を取ってください。

上でも述べましたが、税金や雇用保険を使って行われる「制度」ですので、わざわざ税金等を使って、働き方改革に反するような、「切られやすい不安定な」仕事に送り込むための訓練ではない、という考えなんですね。

派遣がダメ、というよりは、「3か月更新がダメ」ということです。そのためパートや契約社員などの直接雇用でも、3か月更新などはアウトということです。

公共職業訓練に通っている方、あるいはこれから通おうとしている方は、派遣は選択肢から外した方が良いかと思います。

なお、公共職業訓練について詳しく知りたい方は以下のリンクをご覧ください。

職業訓練
このページでは、職業訓練を申し込むところから訓練を修了するまでの、一通りの流れをお伝えします。 職業訓練(ハロートレーニング)とは、ハローワークからの申し込みで職業訓練校と呼ばれる学校(民間運営もあります)に無料で通い、スキルアップや...

 

それでも派遣を選んじゃうぞー☆という方は

ここまでデメリットをご紹介しましたが、それでもなお派遣がいいという方は、おすすめの派遣会社をご紹介しておきます。

ちゃんと職業訓練生(就活者)が利用したうえでお話を色々聞いておりますので、比較的安心の部類に入ること間違いなしです(派遣会社の中にはどうしようもないところもあります)。

テンプスタッフ

公式サイト  また働きたい派遣会社No.1!テンプスタッフ

有名な派遣会社さんです。
事務の案件が多いため、事務職として働きたいという方にはイチ押しです。
わたくしが直に指導させていただいている方もテンプスタッフで仕事を決めた方が非常に多いです。
登録は無料なので、絶対に抑えておきたい派遣会社です。

リクナビ派遣

公式サイト  リクナビ派遣

転職と言えばリクルート、リクルートといえば転職というくらい有名なリクルート運営の派遣登録サイト。
そういえばこのサイトからも事務職に就いた人は多かったなぁ…ということでおすすめです。
もちろん登録無料。

公式サイトへ

とらばーゆ

公式サイト  とらばーゆ

同じくリクルート運営のサイト。
派遣も掲載されていますが、正社員やパートの求人も掲載されている、いわゆる転職サイトです。
何せ「女性のための転職サイト」と銘打ってますので、細かい条件を指定して検索できるのが強みです。
「駅に近いオフィス」「ジーンズOKなオフィス」などユーザーのわがまま条件で仕事が探せる、フィット感の高いサイトです。
女性なら登録しておくと良いでしょう。登録無料。

公式サイトへ

 

終わりに

まとめますと、

  • 何かあった時に真っ先に切られる
  • 3年で期間満了のため、長く働けない
  • 事務系であれば3か月更新がほとんど
  • 大企業での就業チャンスもあるが、経験と言えるかは微妙
  • 職歴が増えてしまう
  • 就職活動のスキルが身につかず、直接雇用で働きたくなった時に大変
  • 給料(時給)は高いが、賞与や交通費がない
  • ほかにも格差を目の当たりにするかも
  • あまり責任の大きい仕事ではない
  • 年齢を重ねてもできる仕事ではない
  • (公共職業訓練生向け)派遣は就職としてカウントされないことも

ということです。

ほかにも派遣法がころころ変わるから振り回されやすい…などもあります。

このデメリットを受け入れることが出来る、あるいは特にこだわりがない、他に選択肢がない…等であれば、派遣という選択肢も十分にありではないでしょうか。

いずれにしろ、進路は慎重に選んでくださいね。

コメント

  1. […] 引用元:その選択、ほんとに大丈夫?事務系の派遣社員を選ぶデメリット11個 […]

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